2020年2月26日
高齢者の転倒は骨折に結びつきやすく、そのまま寝たきりにつながる恐れもあり、転倒予防のための運動をすることが大切です。
「転倒予防」のポイントは"転ばない"身体を作ることです。そのためには、「身体のバランスを保つ」ことと「立つ、歩く際に必要な筋力を維持する」ことが重要です。下肢はたくさんの骨と関節で構成され、多くの筋肉が働いています。転倒予防に効果的な下肢の運動を継続的に行うことが大切です。
今回からは『転ばない身体をつくること』をテーマに、身体の柔軟性・足の筋力・身体のバランスを保つための体操を紹介していきます。まず、身体の柔軟性を保つためのストレッチについて紹介します。
ストレッチの一般原則として
①反動をつけずにゆっくりと引き伸ばす
②呼吸は止めずにリラックスして行う
③痛みのない範囲で30秒間保持する
の3点を守ってください。
では、高齢者に多くみられる前傾姿勢を予防するために、腸腰筋・広背筋・ハムストリングスのストレッチ方法について紹介します。
1.腸腰筋
壁に両手をついて、両足を前後に開きながら、後方に引いた足側の腸腰筋のストレッチを行います。腰部が反らないように注意しましょう。
2.広背筋
肩の高さで両手を壁につきます。少しずつ頭を下げていきながら、広背筋のストレッチを行います。
3.ハムストリングス
椅子に浅く腰掛け、片方の足を前に伸ばします。背中を伸ばしたまま、前に伸ばした足の方に上体を傾けながら、ハムストリングスのストレッチを行います。
次回は、足の筋力を保つための筋力強化運動を紹介します。
参考資料:理学療法ハンドブック シリーズ①健康寿命
社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 理学療法士