2010年2月 3日
ワンポイントリハビリ 転倒予防シリーズ
転倒予防のために!!自宅でできる転倒予防体操
現在、日本では超高齢化社会を迎えようとしています。それにともない、要介護人口も増加の一途をたどっています。介護が必要になった、主な原因は脳血管疾患後遺症、認知症などがありますが、転倒による骨折も多く見られています。
転倒の原因は一般的に身体的要因と環境要因に分けられます。身体的要因とは、加齢、過去の転倒経験、バランス、歩行障害、下肢筋力低下、視力、聴力低下などヒトの身体状態をさします。一方、環境要因とは室内の明るさや床の状況、履物、段差などをさします。
「老化は足から」といわれているように、腕よりも脚の筋力低下が見られやすく、転倒を予防するためにも下肢筋力アップは転倒予防に必要となります。
そこで、今回は、転倒に関していくつか自宅で出来る筋力のチェック、筋力アップの体操をご紹介していきます。
(1)運動を始める前の筋力チェック
はじめに自分がどれだけ転びやすいかをチェックします。
目を開けたまま、片足で何秒立っていられるかを試してみます。目安は10秒で、10秒以上可能な方はひとまず安心してよい方です。一方、10秒に到達しなかった方は転倒の危険が見られます。転倒予防体操を実施しましょう。
(2)準備体操
体操に入る前にゆっくりストレッチをし、体の準備をしていきましょう。
<1>指そらし
1.片方の指をもう一方の手で持ち、肘を伸ばします。
2.親指を除く4本の指の付け根の関節を息をはきながらゆっくり手の甲側に10秒反らします。
3.反対側も行い、左右2〜3回ずつ行います。
<2>肩まわし
1.足を肩はばに開き、手を肩の上におきます。
2.肘を内側から外側へゆっくりと大きく5〜10回まわします。
3.外側から内側にも5〜10回まわします。
<3>腕の押し上げ・横曲げ
1.足を肩幅に開き、手を組み、手のひらが上に向くように頭の上へ押し上げます。
2.肘を伸ばしたまま、右側に少し曲げ、5秒間止め、もとに戻します。
3.左右を行い、5回ずつ位行いましょう。
さあ、次は筋力アップの体操に入ります。
(3)足の筋力アップ体操
一.足首の曲げ伸ばし
1.両足をそろえて、膝を伸ばして座ります。
(手を後ろについて上体を支えても構いません)
2.つま先を上に向け、5秒その位置を保ちます。
3.5秒とめた後、つま先を自分の力でしっかり伸ばします。
4.5〜10回行います。
二.片足上げ
1.両手を後ろにし、背中を伸ばし、膝を曲げて座ります。
2.片足を伸ばしながら持ち上げます。その位置を5秒保ち、ゆっくりおろします。
3.左右5〜10回行います。