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2010.3.23 橋本顧問のひとりごと ひな祭りと百薬の長

 3月弥生
桃の節句でそろそろ春の足音が聞こえて来る節だが、ここに来て正に三寒四温で自身の体調管理はもとより利用者さんの体調には気配りしている今日この頃である。
 そんな中、例年通り総合南東北福祉センターにおいてもひな人形の飾り付けを行った。今年は手が足りなくて、利用者さんの応援をもらい飾り付けをした。雛段を前にみんなでおひな様の飾り方を思案する場面が多かった。なんと云ってもみんな半世紀も前のことで忘れてしまったらしい(苦笑)。しかし、話し合っている内に誰となく思い出して立派な内裏びなを頭上に三人官女、五人囃子たちが並べられ、出来上がったひな飾りに皆で喝采して眺めた。総合南東北福祉センターでは、毎年3月3日にはひな祭りを開催していて、みなさんひな人形を前に当時を偲び、誰となく「あかりをつけましょ、ぼんぼりに・・・」と口ずさむ姿に感動した。
 ところで、私にはあまりひな祭りの思い出が浮かばない・・・。戦中戦後で節句を祝う時代ではなかったのか定かではない。
ひな祭り 今私にも娘は居るも飾る場所もないことから、一式がケースに入った飾りをいただき、今も嫁いだ娘の部屋に年中飾ってある次第である。しかし、今2人の母となった娘と孫から「おじいちゃん、おひなさま飾ったよ、ありがとう。いつまでも長生きしてね」と云う便りが今年も届き、ここ数年はこれを肴に総合南東北福祉センターのひな祭りと合わせながら、今宵も百薬の長をいただいている。
 間もなく彼岸が来る。この時も先祖を敬い感謝を捧げ、百薬の長をいただくことになるだろう。
 「暑さ寒さも彼岸まで!!」という言葉の通りであってほしいが、今日も午後より雪が降り出し冬到来。この分だと明朝は、雪掃きが待っている。今宵も百薬の長で鋭気を養い早寝早起きをしよう...。

ワンポイント豆知識
〜ひな祭りと内裏雛の左右〜
 ひな祭りは、男雛と女雛を中心とする人形を飾り、桃の花を飾って、白酒などの飲食を楽しむ節句の祭りです。関東雛と京雛では男雛と女雛の並ぶ位置は逆位置。本来「内裏雛」とは雛人形の男雛と女雛の一対を指しますが、男雛を「お内裏様」、女雛を「お雛様」と呼ぶ誤りは童謡の「うれしいひなまつり」の歌詞から一般化したといわれる。
 三人官女以下のその他大勢の随臣、従者人形は「供揃い」という。実のところ、内裏雛や人形の並べ方に決まりごとはない。しかし、壇上の内裏雛は内裏の宮中の並び方を人形で模すことがある。古来、日本や唐(中国)では「左」が上の位であった。人形では左大臣(雛では髭のある年配の方)が一番の上位で天皇から見ての左側(我々の向かって右)にいる。ちなみに飾り物の「左近の桜、右近の橘」での桜は天皇の左側になり、これは宮中の紫宸殿の敷地に実際に植えてある樹木の並びでもある。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター
顧問 橋本静昌