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2010.12.29 ワンポイント在宅介護 介護保険の医療費控除について

介護保険の医療費控除

 医療費控除はお医者さんにかかったときの「医療費」だけでなく、介護保険サービス(下記参照)にかかるサービス費の自己負担分(1割分)について、医療費控除の対象となるものがあります。介護保険サービスを受けた方は確認してみましょう。
 医療費控除は本来「医療」に関わる部分の控除のため、基本的にはお医者さんや看護師からの介護保険サービスが対象となります。また、介護保険の医療費控除をうける場合は、費用を支払った時に医療費控除対象額が記載されている領収書が必要となりますのでなくさないようにとっておきましょう。
確定申告時に申請する医療費控除は、自分と生計を共にしている家族が1年間に支払った医療費の合計額が、10万円か、総所得金額の5%のどちらか安い方を超えた場合に申請をすることで、所得税の減税を受けることができます。確定申告時(毎年2月16日〜3月15日)に申告すると、本人名義の銀行口座に所得税の減税分が還付され振り込まれます。

介護保険サービスと医療費控除
1)介護保険サービスは、「施設サービス」と「在宅サービス」に分けられます。
2)介護保険サービスを利用した時に支払う自己負担額は、医療費控除の対象となります。
3)「施設サービス」・「在宅サービス」のサービスの種類によって、医療費控除対象額は異なります。

医療費控除の申告に必要なもの
1)在宅の場合 「居宅サービス計画を作成した事業者名」と「医療費控除の対象となる金額を記載した領収書」
2)施設入所の場合 「介護老人施設名」と「医療費控除の対象となる金額を記載した領収書」


医療費控除の対象となる介護保険サービス
施設サービスを受けている場合
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)・地域密着型介護老人福祉施設
 施設サービスを利用し、介護費・食費及び居住費として支払った額の2分の1が対象となります。日常生活費や特別なサービス費用は対象とはなりません。
※特別な居住費及び特別な食費については、医療費控除の対象ではありません。
介護老人保健施設・介護療養型医療施設
 施設サービスを利用し、介護費・食費及び居住費として支払った額が対象となります。日常生活費や特別なサービス費用は対象とはなりません。
※特別な居住費及び特別な食費については、医療費控除の対象ではありません。

在宅サービスを受けている場合
サービスを利用した場合の自己負担額(介護費用の1割)が医療費控除の対象となります。在宅の介護サービスの場合、居宅サービス計画に基づいて居宅サービスを利用し、居宅サービス計画に医療系サービスを併用することが必要となります。また、介護予防サービスでは、介護予防サービス計画に基づいて介護予防サービスを利用し、介護予防サービス計画に医療系介護予防サービスを併用することが必要となります。
医療系サービス(医療費控除の対象となる在宅サービス)
 1)訪問看護・介護予防訪問看護
 2)訪問リハビリテーション・介護予防訪問リハビリテーション
 3)居宅療養管理指導・介護予防居宅療養管理指導
 4)通所リハビリテーション・介護予防通所リハビリテーション(食費を含む)
 5)短期入所療養介護・介護予防短期入所療養介護(滞在費・食費を含む)
介護系サービス(医療系サービスと併せて利用すると医療費控除の対象となる在宅サービス)
 1)訪問介護(生活援助サービスを除く)・介護予防訪問介護
 2)訪問入浴介護・介護予防訪問入浴介護
 3)通所介護・介護予防通所介護(食費は除く)
 4)短期入所生活介護・介護予防短期入所生活介護(食費、滞在費は除く)
 5)夜間対応型訪問介護
 6)認知症対応型通所介護、介護予防認知症対応型通所介護(食費は除く)
 7)小規模多機能型居宅介護、介護予防小規模多機能型居宅介護(食費は除く)
※介護系サービスの場合、医療系サービスと併せて利用した場合に医療費控除の対象となります。介護系サービスのみを複数利用していても医療費控除とならないので注意しましょう。

医療費控除の対象外となる介護保険の居宅サービス
 1)痴呆対応型共同生活介護(痴呆性老人グループホーム)
 2)特定施設入所者生活介護(有料老人ホーム)
 3)福祉用具購入
 4)福祉用具貸与
 5)住宅改修
 6)訪問介護(生活援助が中心である場合)

※介護保険の高額介護サービス費をもらっている場合、自己負担額から高額介護サービス費を差し引いた額が対象となります。


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