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2011.7.13 ワンポイントメディカル 腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニア(ようついついかんばんヘルニア)
ヘルニア Hernia
ヘルニアと一言でいっても色々な種類があり、おこる場所・症状など様々です。
ここでは、腰痛の元となる腰椎椎間板ヘルニアについてご紹介します。

ヘルニアは症状名で、病名ではありません!!
ヘルニアとは、ラテン語で「脱出」を意味します。何らかの原因で、周りの組織の圧迫に耐えられなくなった臓器が、組織の柔らかいところからはみ出す状態のことをヘルニア(脱出)といいます。
椎間板は背骨と背骨にサンドされた具のようなもので、クッションと潤滑剤の役割をしています。この椎間板の“具”がつぶれてはみ出た状態が椎間板ヘルニアです。
正常な腰椎椎間板 Normal lumbar vertebra intervertebral disk 椎間板ヘルニア Hernia of the intervertebral disk


なぜヘルニアになるの?
 臓器は筋肉や膜によって支えられ、身体の中できちんと区画整理されて、本来あるべき場所に配置されています。しかし、筋肉や膜に弱い部分があると、そこからはみ出てしまいます。ヘルニアは、この区画分けをしている部分が弱くなったことが原因でおこります。

意外と身近に潜むヘルニア
 ヘルニアは珍しいものではなく、誰にでもおきるものです。現代人は運動不足で、姿勢も悪いため筋力がどんどん衰え、ヘルニアになる人が増加しています。

ヘルニアになりやすい人って?
書類の片づけ Putting away of document*デスクワークの人(同じ体勢でイスに長時間座っている)
*運動不足の人(筋肉が弱いため、はみ出しやすい)
*高齢者(加齢により、筋肉が弱くなる)
*過去に大きな打撲をしたことがある人

ヘルニアの症状
 腰椎椎間板ヘルニアが脊髄を圧迫すると症状痺れなどがみられるようになります。
*腰が痛む(急に激しく痛み、長く続く)
*足・お尻・鼠径(足の付け根)など下半身の痛み
*咳き込んだり、動いたり、笑ったときにさらに痛む
*足がしびれる、触っても感覚が薄い
次の3つの症状は、下半身をつかさどる神経をかなり圧迫していると考えられます。 すぐに病院に行きましょう。
*感覚がなくなる、触っても解らない、自分でトイレに行きたいかの判別がつかない
*足に力が入らない、逆にこわばってしまう
*足が痙攣する、足が思っていない方向に曲がる

予防対策
正しい姿勢を意識して!
猫背 stoop 人間の身体には本来の理想的な姿勢があります。しかし、猫背や足を組んで座るなど、長年の姿勢の悪さが積み重なって椎間板は疲労していきます。まずは正しい姿勢を身につけることが大切です。
体重は適正に!
増え過ぎた体重は、椎間板を圧迫、やがて自分の体重を支えきれなくなりヘルニアになります。太り過ぎの方はダイエットが必要ですが、無茶は禁物。食事や栄養をきちんと摂りながら健康的にダイエットしましょう。
軽いものでも油断は禁物!
軽いものを持ち上げた時にギックリ腰やヘルニアになる人が案外多いのです。軽そうなものは脳が勝手に「これくらいかな」と判断して筋肉をセーブするため、思った以上に重かった時にダメージを受けてしまうのです。

手軽な運動でヘルニア予防
筋肉の発達により、脱出する臓器を押さえ込めるようになります。
息を吐く The breath is vomitedPoint1腹式呼吸
腹式呼吸も立派な有酸素運動。リラックス効果や血流改善も期待できます。口から息を吐き出すときに、ゆっくり時間をかけて、お腹がグッと凹むまで吐ききることがポイント。
Point2散歩
散歩は身体への負担が少ないので、特に高齢の方にお勧めの運動です。歩く距離は3キロを目安に。散歩前に、少し体操するなどして身体をほぐすとさらに効果的です。
※ジョギングは腰椎にかなり負担がかかるので、要注意。
Point3腹筋・背筋を鍛える
腹筋・背筋は腰椎を守る天然のサポーター。
予防や再発防止に是非やっていただきたい運動ですが、絶対に守らなければいけないことがあります。
それは無理をしないこと! 痛みがある時は悪化する危険がありますので、絶対にやめてください。

財団法人脳神経疾患研究所 附属総合南東北病院(福島県郡山市)
http://www.minamitohoku.or.jp/

掲載している情報は株式会社メディネット様より提供をいただいております。
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社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター