2012年10月29日
RS ウイルス感染症(Respiratory Syncytial virus infection)は、例年冬期にピークが見られ、夏期には少なくなりますが、2011 年、2012 年と2年連続して7月頃から全国的に増加傾向が見られています。
2012 年夏期までの累積報告数を年齢別割合で見ると、0歳44.6%、1 歳33.1%、2歳12.2%、3 歳5.8%、4 歳2.4%の順であり、1 歳以下で全報告数の約70%以上を、3歳以下で全報告数の90%を占めるなど、乳幼児を中心に急増しています。
感染経路、症状等について
病原体であるRS ウイルスが伝播することによって発生する冬期に多い急性呼吸器疾患で、年齢を問わず感染します。
感染経路
感染者の咳などによる飛沫や呼吸器からの分泌物(鼻汁、痰など)に汚染された手や物を介して経口的に人にうつります。
潜伏期間
2日〜8日間
症状
風邪に似た症状で多くの場合、軽症で治りますが感染力は強く、1歳未満の乳児の場合や、先天性心疾患、慢性肺疾患などを持つ小児の場合は、重症化するおそれがあります。
早めの受診や感染予防にこころがけてください。
※生後1歳までに半数以上、2〜3歳までにほぼ全ての小児が感染し抗体を獲得するといわれています。
対策のポイント
RSウイルス感染症にはワクチンがなく、治療は対症療法となりますので予防が大切です。
呼吸が速い、息苦しそうにしている、肩や全身を使って息をしている、顔色が悪い、元気がないなどの様子が見られた場合には、早めに受診しましょう。
先天性心疾患、慢性肺疾患などを持つ小児の場合などは、かかりつけ医に相談し、感染予防や病気にかかった場合の対応について助言を受けておきましょう。
保育所や幼稚園などでの対策について
保護者や職員を含めた手指衛生の徹底や、咳などがある場合は無理をさせない、マスクを着用するなど咳エチケットに努め、感染を拡大させないための注意が必要です。
家庭における対策について
○外出後には、うがいや手洗いをしましょう。
○症状がある人とは密接な接触を避け、タオルの共用はやめましょう。
○症状が現れたら早めに受診しましょう。
※詳しくは、国立感染症研究所下記アドレスを御覧ください。
http://www.nih.go.jp/niid/ja/rs-virus-m/rs-virus-idwrc/2662-idwrc-1236.ht