2012年11月16日
ワンポイントメディカル
インフルエンザの季節がやってきました。今年はすでに県北地区で流行が始まっており、12月に蔓延する恐れがあるとも予測されています。10月18日に総合南東北病院で開かれた医学健康講座で同病院感染管理担当の高木光恵看護師長が講演した「冬季感染症〜インフルエンザとノロウイルス」の内容を要約して予防法などをおさらいします。
◆「インフルエンザ」にご用心
インフルエンザの感染力は強く、わが国では毎年1千万人近くが感染しています。みんなで知って、みんなで注意が大事。日頃抱いている10の質問にお答えします。
■「Q1:かぜとインフルエンザの違い」
・かぜは鼻水や喉の痛みなど局所の症状だけで通年みられます。一方インフルエンザは38度以上の発熱やせき、喉の痛み、倦怠感など全身症状が現れます。1〜2月がピークですが、まれに4・5月に流行することもあります。
■「Q2:A型とB型どう違う」
・A型にはかつてソ連型と呼ばれた(2009年に新型に移行)H1N1と香港型のH3N2の2種があります。他にB型がありますが症状も予防対策もA型と同じです。
■「Q3:どうやってうつる」
・感染者がせきをしてウイルスを飛散、他の人がそれを口や鼻から体内に吸い込み飛沫感染と、感染者が鼻水などをぬぐった手でドアノブやスイッチに接触、他の人がそれに触りウイルスが体内に入る接触感染の2種類の感染経路があります。
■「Q4:うつらないようにするには」
・感染経路を絶つことが必要です。まずは手洗いの励行。アルコールで拭くのも良いでしょう。栄養と睡眠は十分にとって下さい。11月中旬までにぜひ予防接種を受けましょう。ワクチンの効果は一般的に約5カ月と言われています。卵アレルギーの人は注意が必要です。
■「Q5:重症になりやすいのはどんな人」
・高齢者、子ども、妊婦、慢性閉塞性肺疾患・喘息・慢性心疾患・糖尿病など持病のある人は要注意です。
■「Q6:どんな症状が出たら医療機関に行くか」
・急に38度以上の発熱やせき・喉の痛み、全身の倦怠感がある時は感染を疑いましょう。呼吸困難や息切れ、胸の痛み、嘔吐・下痢が続くなどは重症化のサインです。
■「Q7:何科の医者に行けばいいの」
・内科・小児科で、できればかかりつけのお医者さんに診てもらいましょう。受診する時はマスクを必ず着けて他の人にうつさいないようにして下さい。
■「Q8:どうやって治すの」
・治療には抗インフルエンザウイルス薬が有効とされています。指示に従い服用しましょう。水分の摂取、補給にも注意して下さい。
■「Q9:感染したら気をつけること」
・他人にうつさないようにしましょう。家庭内でも隔離を行い、部屋の換気を心がけて下さい。マスクも必ず着けます。5日間は外出禁止で、熱が下がっても2日は自宅療養(子どもも解熱後2日は学校を休む)です。
■「Q10:せきエチケットってどういうこと」
・せき、くしゃみの飛沫には病原体を含むので気をつけようということです。せき、くしゃみをするときは他の人から顔をそらし、ティッシュなどで口、鼻を覆います。マスクは正しく装着しましょう。
インフルエンザにはこまめな手洗い、せきエチケット、ワクチン接種が大切で一人ひとりが防ぐ意識を持ちたいものです。医療機関の外来受診や面会時はマスクを忘れずに。
※ワンポイントメディカル「冬の感染症 インフルエンザとノロウィルスについて」は、総合南東北病院「@南東北情報BOX」と情報を共有しています。
次回予告:冬の感染症 ノロウイルスについて
http://www.kaigo-hiwada.com/onepoint/op-medi/002621.html