2013年1月30日
椅子に座っている方の立位動作の介助の際、皆さんはどのような点に注意して行っていますか?
介助者、被介助者共に、無理な力を使ってはいませんか?
今回は自然な力で立ち上がることができる動作と、そこからの安全な手引き歩行を紹介します。
いずれにしても基本の動作ですが、大事なポイントですので参考にしてください。
①「椅子に座った状態から立つ」と考えた時、椅子から体を離そうとしてしまう力のベクトルのイメージは「上」や「前」になりそうなものですが、これではお互いに無駄な力を使ってしまい、上手く立つことができません。
②そこで、自分が立つ時に、どのようにしているか思い出してみましょう。
椅子から立つ時、手を自分の膝に置き、頭を前方下側に下げてお辞儀をするようにして立っていると思います。これと同じ動作を介助者が働きかけることにより、介助を受ける側が自分の力を使って、自然な力で立つことができます。
介助者は、介助を受ける方の手を下げるように引きましょう。
これなら引っ張ったり、無理な力は不要ですね。
無理な力を使わずに、本来の自分の力を使って自然に立つことができるので、立ってからの体勢も安定します。
介助者は、動作を行う際に「自分のへそを見るようにして立ちましょう」や「お辞儀をするようにしましょう」と、介助を受ける方が分かりやすいように声かけすると良いでしょう。
③立位がとれたところで、次は歩行に入ります。
介助者は、被介助者の肘を下から支えるように持ちます。
このように、手だけを持つよりも肘から支える方が、歩行の振動で起こるお互いの身体のブレが少なくなるため、安定した手引き歩行をすることができます。
普段私たちが何気なく行っている動作が、実は介助の場面で大活躍していたのですね。
ポイントは『自然な力で』です。皆さんも是非一度お試しください。