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ワンポイント在宅介護 認知症を理解する①

ワンポイント在宅介護

認知症を理解する①
認知症かも?

 認知症は、誰もがなる可能性のある身近な病気です。高齢化が進む日本では、いまや85歳以上の4人に1人が認知症になっていると言われます。
 ワンポイント在宅介護では過去にも取り上げたことのある内容ですが、今回は具体的な対応なども含め、3回に分けてご紹介したいと思います。

認知症を知る

認知症ってなんだろう?
 年をとると、誰もが人の名前をすぐに思い出せなくなったり、ものをどこかにしまったか忘れたりするものです。認知症は、そのような加齢によるもの忘れとは違い、正常だった脳の働きが徐々に低下する病気です。
・数分間、数日間の出来事を思い出せない
・新しいことを憶えられない
・日付や曜日がわからない
・言葉がなかなか出てこない、
…などの困難が生じて、以前のように日常生活を上手く送ることができなくなります。
認知症がどんな病気かを知ることで、認知症の本人への対応の仕方や介護に対する理解が深まります。

加齢によるもの忘れ
・体験の一部を忘れる
・ヒントがあれば思い出せる
・食事の献立が思い出せない
・外出先で人と会ったことを忘れる など
認知症
・体験したこと自体を忘れる
・ヒントがあっても思い出せない
・食事をしたこと自体を忘れる
・外出したこと自体を忘れる など


認知症の中で最も多いのは、アルツハイマー型認知症です
アルツハイマー型認知症認知症には、
・「血管性認知症」
・「レビー小体型認知症」
・「前頭側頭型認知症」
…など種類がありますが、日本では欧米と同様に「アルツハイマー型認知症」が最も多く、年々増加する傾向にあります。

アルツハイマー型認知症の症状
アルツハイマー型認知症の症状として挙げられる「中核症状」はほとんどの方にみられますが、病気の進行とともに、徐々に強くなります。
一方、「行動・心理症状(BPSD)」は、すべての方にみられるわけではなく、環境や家族の接し方によって、軽くなったり、強く現れることもあります。
中核症状
・数分前、数時間前の出来事をすぐに忘れる
・同じ内容の話や質問を繰り返す
・財布や鍵を置いた場所を思い出すことができない
・スイッチの消し忘れが増える
・きちんと薬をのむことができなくなる
・季節に合った服装を選ぶことができなくなる
・通い慣れた場所で道に迷う
行動・心理症状(BPSD)
・イライラする場面が多くなる
・些細なことで腹を立てることが多くなる
・今までの日課をしなくなる
・誰もいないのに、誰かいると主張する(幻覚)
・自分のものを誰かに盗まれたと主張する(もの盗られ妄想)
・無目的に屋外に出て歩き回る(徘徊)


アルツハイマー型認知症は緩やかに進んでいくのが特徴です
  アルツハイマー型認知症は、いつのまにか始まり、緩やかに進行していくのが特徴です。人によって進み方や症状の現れ方はさまざまですが、おおむね次のような経過をたどります。
軽度
・同じ話や質問を繰り返す
・数分前の出来事を思い出せない
・料理の手順や味付けが今まで通りにできない
中等度
・季節や状況に合った服装を選べない
・同じ商品を重複して購入する
・親しい家族の名前を忘れる
高度
・着替えや入浴を嫌がる
・家族の区別がつかない
・ひとりで着替えができない


まずは、かかりつけ医に早めに相談を
  本人が普段お世話になっているかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門医を紹介してもらうとよいでしょう。認知症の介護は長年にわたるので、本人や家族の様子をよく知っている地域の医師に診てもらえれば、こまめに相談しながら治療を続けていくことができます。
診断は専門医が行ないます。
・神経内科
・神経科
・精神科
・心療内科
・脳神経外科
もの忘れ外来
・認知症外来
                     …などの医療機関で診断が可能です。

※かかりつけ医がいない場合は、市区町村の相談窓口や行政センター、保健所、地域包括支援センターなどで紹介してもらいましょう。

・次回は「認知症」早期発見の目安などをご紹介したいと思います。

※参考文献
認知症「いっしょがいいね」を支えるガイドブック/第一三共株式会社

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