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ワンポイントリハビリ 「誤嚥を防ぐポイント」

<誤嚥の危険性>
 嚥下障害があると、食べ物や飲み物などをうまく飲み込めなくなるだけではなく、誤嚥による肺炎(誤嚥性肺炎)や窒息などの問題が起こります。2011年の厚生労働省の統計によると、日本人の死亡原因では肺炎が第3位、窒息などの不慮の事故が第5位と、誤嚥と関係の深い原因が上位にあがっています。誤嚥を防ぐためには、食事の工夫以外にも、食べるときのケアや口腔(こうくう)ケアが重要です。

誤嚥を防ぐポイントとして
①食事 ②食べるときの姿勢 ③口腔ケア が挙げられます。
<食事をするときの姿勢>
 いすに座って食事をする場合は、体とテーブルの間を握り拳1つ分開けて座ります。背筋を伸ばし、両足は床に着けてリラックスして、あごは軽く引きます。そうすることで飲み込みやすくなるとともに、食べ物を飲み込んだときに気道に入りにくくなります。車いすで食事をする場合も同様です。
ベッドで食事をする場合は、床に対しベッドの背の角度が30〜60度程度になるようベッドを起こし、後頭部とベッドの間に枕を入れ、あごを軽く引いた姿勢になるようにします。食事の介助が必要な場合、介助をする人は患者さんの斜め前に座り、口と同じ高さから水平に食べ物を運びます。食べ物はティースプーン1杯ほどの量をとり、食べるものを見せ、確認してもらってから口に運びます。スプーンの底で舌の表面を軽く押して食べ物を置き、口を閉じてからスプーンを引き抜きます。飲み込めたことが確認できたら、次の一口に移ります。脳梗塞などでどちらかに麻痺がある場合は、麻痺のある側にむいて食べると誤嚥が起きにくくなります。

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次回は「誤嚥を防ぐ準備体操」について紹介します。

総合南東北福祉センター 理学療法士