2014年5月22日
前回に続き、ロコモティブシンドロームについて起きるしくみやチェック項目について紹介します。
<ロコモティブシンドロームが起きるしくみ>
私たちは運動するとき、骨・筋肉・関節・靭帯・神経といった組織・器官を使っています。こうした人間のからだの動きを担当する組織・器官を総称して「運動器」と呼びます。腰痛や膝痛などがあると、運動器がうまく働かなくなり、歩行障害につながる場合があります。
運動器の障害によって歩行障害が進み、寝たきりや要介護になる危険が高まった状態は「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」と呼ばれています。
私たちの体を支える「筋肉」「骨」「軟骨」。これらは互いに連携して働いているため、一部で障害が起きると他にも影響が及びます。たとえば腰やひざに痛みがあると、からだをあまり動かさなくなり、筋力が低下し、関節への負担が大きくなるため軟骨がすり減ってさらに痛みが増す…といった悪循環が起こります。
<ロコチェックでロコモティブシンドロームの早期発見を>
ロコモティブシンドロームは気づかぬうちに進行することが多く、早期に気づき、適切に対処することが大切です。「ロコチェック」は、筋力やバランス能力の低下を早期に見抜くためのもので、7つのチェック項目があります。
①片脚立ちで靴下がはけない
②家の中でつまずいたり滑ったりする
③階段を上るのに手すりが必要である
④横断歩道を青信号で渡りきれない
⑤15分くらい続けて歩けない
⑥2kg程度の買い物(1リットルの牛乳パック2個程度)をして持ち帰るのが困難である
⑦家のやや重い仕事(掃除機の使用、布団の上げ下ろしなど)が困難である
上記の一つでも当てはまるものがあれば、ロコモティブシンドロームの可能性があります。
専門医の診察を受け、適切な治療を受けることや、筋力・バランス能力を高めるためのトレーニングを行うことが必要です。