2014年8月12日
植物や作物を育てるリハビリテーション「園芸療法」をご存じですか?心身のリハビリテーションにはさまざまな種類がありますが、第二次世界大戦後の1950年代よりアメリカや北欧を中心として始まった方法の一つに「園芸療法(Horticultural Therapy)」というものがあります。
土をつくって種を蒔き、自分で世話をした植物や作物から果実などを収穫し、おいしく調理して食べるという一連の流れには、数多くの生活要素や運動機能が含まれているほか、五感を刺激するポイントが幾つもあります。アメリカでは帰還兵の「心の癒し」として発展してきた方法ですが、北欧では障害者の社会参加や社会復帰を支援する意味も持っていました。
現在では精神面の充実が重要視されてきた日本でも、特別養護老人ホームをはじめ、介護老人保健施設やデイケアセンターなどで園芸療法を採用するところが増えています。また、緑あふれる暮らしやすい地域づくりの一環としても、日本各地の地方自治体から注目されており、植物と人間の関係を見直した新しい介護の形の一つだといえるかもしれません。
当施設でも現在トマト・ピーマン・パセリ・ゴーヤ・ひまわり等を育てています。
【園芸療法の効果】
①適度な運動を伴う作業(運動不足の解消、筋力低下の予防)
②外の空気や土に触れることで、五感が刺激され季節を感じとれます(認知症予防)
③収穫の楽しみのある、将来を期待する作業(生きがい)
④収穫物の利用(販売、料理、他)を伴う作業(生活能力の維持、自己評価)
園芸に取り組むことは、リハビリテーション活動の一環となります。高齢者のリハビリテーションで大切なことは、意欲を維持することです。陽光にあたりながらの園芸作業は、それがリハビリ作業であることを忘れて意欲的に取り組む方が多いようです。こらから暑い日が続きますが、熱中症対策を行ないながら園芸活動に取り組んでみてはいかがでしょうか。
参考:みんなの介護ホームページ 介護ニュース