2016年4月12日
咳や痰は、体の防御反応です。ほこりやウイルスなどの口や鼻から侵入した異物を体外へ排出する大切な役割を果たしています。
今回は、鎮咳去痰薬の選び方と使い方のポイントを紹介します。
鎮咳去痰薬は、いわゆる「咳止め」です。市販されている咳止めの大半は次の3つの成分を含んでいます。
①鎮咳成分
脳の「せき中枢」の興奮をしずめる
②気管支拡張成分
せまくなった気管支を広げる
③去痰成分
痰の粘度を下げて吐き出しやすくする
なかには、③に特化した咳止めもあって、商品名に「去痰」。効能に「痰のからむ咳」と表記されています。コンコンではなく、ゴホゴホという痰のからんだ咳のときには、こちらがより効果的です。
多くの咳止めには、アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン成分とのどの炎症を抑える抗炎症成分も含まれています。抗炎症成分のリゾチーム塩酸塩は、卵白由来のタンパク質なので、卵アレルギーがある人は絶対に服用しないようにしましょう。
咳止めの薬剤形はさまざまです。即効性が高い順に並べると、シロップ、顆粒、カプセル、錠剤となり、錠剤やカプセルは持続性が高く、1日2〜3回の服用でOKです。また、水なしでかみくだいて飲めるチュアブル錠は外出時に便利です。
咳や痰は、異物に対する体の防御反応なので、むやみに抑え込むべきでありません。しかし、長引くと体力を消耗してしまい、睡眠障害や筋肉痛などを引き起こすこともあります。咳や痰の症状が長引くときには、咳止めの服用も考えましょう。
咳の原因はさまざまで、咳止めも数多くの種類が販売されています。薬剤師や登録販売者に相談して、適切な咳止めを選んでもらいましょう。