2017年1月19日
冬に“入浴の際に寒い脱衣所で衣服を脱いで、鳥肌を立ててブルブル震えながら浴槽に急ぐ”なんてことはありませんか?
「ヒートショック」とは、温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することなどが原因となり起こる健康被害のことで、失神や心筋梗塞、不整脈、脳梗塞などを起こすことがあります。住宅内で暖房をしていない脱衣室や浴室では、室温が10度以下になることが珍しくありません。寒い脱衣室で衣服を脱ぐと、急激に体表面全体の温度が10度程度下がります。すると寒冷刺激によって血圧が急激に上がります。さらに、一度急上昇した血圧は、浴槽の暖かい湯につかることによる血管の拡張で、反対に急激に低下します。この変動がヒートショックにつながります。
ヒートショックの危険性が高い人として、高齢者や、高血圧、糖尿病、脂質異常症をもっている人が挙げられます。 また、肥満気味の人や呼吸器官に問題があり睡眠時無呼吸症候群などをもつ人、不整脈がある人も影響を受けやすいと言われています。
ヒートショックによる事故を未然に防ぐには?
①入浴前に脱衣所と浴室を温めておく。
②湯船に入る前に、手・足といった末端部分からかけ湯をして徐々に体を温める。
③入浴時間は、ほんのり汗ばむ程度にする。
④食事直後・飲酒時の入浴は避ける。
⑤湯温設定は41℃以下にする。
多くの日本人はお風呂が大好きです。特に、寒くて体が冷えてしまいがちな冬は、1日の終わりにお風呂で体を温めて、湯船でほっこりと一息つく時間を楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。しかし、お年寄りや高血圧・糖尿病などの病気をもっている人にとって、冬の入浴は常に危険と隣り合わせであることを忘れてはなりません。このような家族と同居している人は、家族の入浴中に、「お湯加減はどう〜」「大丈夫ですか〜」などの定期的な声かけを、ぜひ行ってください。家族みんなのささやかなしあわせを壊してしまわないために、心がけたい冬の習慣です。