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脱水

【危険な脱水症状。水分補給はなぜ必要なのか?】

 om2020.9.8 1.png人体において水分は不可欠な要素で、成人の場合は体の60%(こどもは70%・高齢者は50%)を占めています。この数字を基準に、体内の水分量の3%以上が排出されると脱水となる可能性があります。
そもそも体内において、水分がどんな役割をしているのかを説明します。
体内において、水分のほとんどは血液です。その他の体内の水分の役割として、身体の保湿・尿や便などの流動性の補助があります。
脱水状態になると、これらの機能に異常をきたし、貧血や血栓などの血液症状、皮膚乾燥・便秘などの症状が発生します。さらに意識障害や痙攣まで起きると、かなり危険な状態となります。

     
脱水症状の起こる理由
恒温動物に分類される哺乳類と鳥類には、体温調整機能が備わっています。鳥類は42℃、ヒトは36~37℃を基準として、高熱になれば体温を下げ、低温になれば保温することができるようになっています。脳の視床下部には体温調整機能の中枢があり、そこを通る血液の温度に反応しています。その中枢に異常を引き起こす病気があると、むくみや脱水が起こる場合があります。
また、脱水の原因として多いのが、体内の水分・塩分の不足です。気温の高い夏やスポーツをした後で、汗をかいて体外に水分・塩分を多量に放出すると、脱水状態に陥る危険性が高まります。

      
脱水症状になってしまった場合
脱水症状と聞いて、最初に思い浮かぶ原因は熱中症だと思います。他にも、栄養不良や脳の誤作動による水分補給の不足などでも脱水は起こる可能性があります。
ここでは、熱中症による脱水症状の応急処置を紹介します。
1、涼しいところで休む
2、水分と塩分の補給
3、冷却剤で、首筋やわきの下、脚の付け根を冷やす
なかなか正常に戻らない場合や意識がない場合には、速やかに救急車を呼び、医療機関を受診してください。

     
脱水症状(熱中症)の予防法
熱中症予防を目的とした暑さ指数(WBGT)という指標の中で、運動に関する指針が示されています。
『25~28℃ 警戒(積極的に休憩)』
『28℃~31℃ 厳重注意(激しい運動は中止)』
『31℃以上 運動は原則中止』 
とされています。
この暑さ指数(WBGT)を参考にしながら、運動中はこまめに水分補給をし、塩分も併せて摂取することをおすすめします。

     
日常の過ごし方
om2020.9.8 2.png成人の場合、1日に必要な水分の摂取量は、食事も含めて2.5ℓといわれています。これは、体外に放出する老廃物として尿と便で1.6ℓ、汗と呼吸で0.9ℓが排出されるためです。その正常な代謝機能の中で、体内の水分量の3%以上が不足すると脱水状態になってしまいます。
また、お年寄りから「トイレが近くなるから、水を飲まない」という話を聞くことがありますが、これはとても危険な行動です。水分を摂取しないと、脱水になるだけではなく、体内の老廃物が排出されずに尿毒症になる恐れもありますので、十分に注意しましょう。
脱水症を予防、対策していくためには、何よりもこまめな水分補給が肝心です。のどが渇いたと感じた時点で、軽度の脱水の始まりです。のどの渇きを感じる前に、水分を摂るようにしましょう。その際には、経口補水液やミネラル入りの麦茶などがおすすめです。また、一気に多量に飲んでも十分に体内に吸収されませんので、くれぐれも少しずつこまめに飲むことを心がけてください。

     

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部