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2009.11.29 第2段シナリオ風介護予防劇 第1の場面〜認知症予防・対処法〜

シナリオ風介護劇Scenario style preventive approach in long term care play
「認知症予防・対処法」
介護予防教室 認知症を予防しよう。こんなときどうすればいいの?

西田町に住んでいるハナさん一家のある風景です。西田ハナさん80歳 長男夫婦と3人暮らし。長男夫婦は仕事をしており帰りが遅いです。ハナさんは夫が3年前になくなりましたが、炊事、洗濯、掃除、ゴミ出しなど何でも自分でおこなっていますが、少し足腰が弱ってきています。近所のクマさんは78歳、よくハナさんの家に遊びに行っています。最近、ハナさんは同じ話をするので、嫁の愛子さんは、少し呆けてきたかなと感じています。

第1の場面 認知症は何気ない生活にまぎれてくる!!
介護予防教室1014.jpgナレーター:(隠居でハナさんがごみをだす準備をしています。なんだか、燃えるごみもビンも一緒にいれているようです)
ハナ:今日はゴミだしの日だから、ごみを出しにいがねっきゃなんね。あれも、これも・・・


ナレーター:(ごみ収集所で、友達のクマさんと会いました)
介護予防教室 1015.jpgクマ:おはようハナちゃん 今日はいい天気だない・・・・・
ハナ:おはようクマちゃん いやほんとに・・・
クマ:ハナちゃん、なんだかあんたのゴミ重そうだない。
ハナ:ん−、オロナミンだのリポビタンだの毎日飲むと結構になんだわい
クマ:今日は金曜日!瓶出す日はきのうだったぞい。この前も間違えでもってきたんだから・・・それにみかんの皮は燃えるごみ。一緒にしちゃだめだー。まったくしっかりしっせよ!(きつい物言いで話す)
ハナ:あら、今日は金曜日だっけか−、曜日間違っただけだ。しょうがない。これはもって帰るしかないね・・・(しょんぼり)


ナレーター:(数日後、道でクマさんと嫁の愛子さんが偶然あいました。)
介護予防教室1017クマ:あら、愛子さん、こんにちは。そういえば、ハナちゃんだけど、この前金曜日に瓶のごみをもってきだんだよ。まあそれが初めてではなくて、いままでにもゴミ出しで無い日にもってきたり、何回かあんだよ。ハナちゃんには何回か言っていんだけど最近同じことばっかりしゃべっているし曜日をまぢがえるみたいぞい。
愛子:あら、そうだったんですか。そういえば、おばあちゃん、あれって思うことが時々あったんですよ。いろいろご面倒をおかけいたしましてすみません。
クマ:いいからいいから。よく見てやっせよ。


ナレーター:(茶の間でお嫁さんが長男さんにハナさんの相談をしています)
介護予防教室020.jpg愛子:あなた、この間クマさんに会ったとき言われたんだけど おばあちゃんね この間は瓶を燃える日に出してて、最近ごみ出しじゃない日に出したり何回か間違っているそうよ。おじいちゃんが死んで3年、話す相手もいなくなってちょっと呆けてきちゃったのかしら。そういえば最近あんまりお風呂も入らなくなったわよ。
長男:そうなのか・・・。俺と話をしても前と変わんねぞ。間違えたっていったって曜日間違っただけだろ、毎日が日曜日なんだから曜日くらい間違えることもあっぺ。おれだってまちがえる。80歳すぎたんだべ? ゴミくらい、おめが出してあげろ。
  それよりほら、おめが前からほしかった掃除機、安いぞ。
愛子:あなた、そんなことはいいのよ!。おばあちゃんとはたまにしか話さないからわからないのよ!! しっかり聴いて頂戴!

ナレーター:(隠居に愛子さんが相談にいきました)
介護予防劇1023.jpg愛子:お母さん、お菓子もらったの。一緒にいただきませんか。
ハナ:あら、これうまくて好きなんだ。ありがどね。
愛子:ところで、ゴミ出しの日、間違って持っていったそうじゃないですか。クマさんから言われましたよ。ごみは私がこれからもって行きますから、やらなくていいですよ。みんなに迷惑かけないでくださいね。
ハナ:何いってんだ。この間はたまたま間違っただけだ。まだまだゴミくらいだせるわい!
愛子:そうですか?・・・

ナレーター:
はい、ありがとうございます。
認知症の初めはこんな出来事かもしれません。認知症は普通の生活に紛れ込んできます。 「正常な部分とボケた部分の同居」曜日がわからなくなる、間違えるなどです。
クマさんから言われてちょっと思い当たることもあった愛子さん、それに対して「年のせい」に片付けた長男さん。これもよくあることです。
長男さんは、「まさか自分の親が認知症なんて」と思っているのでしょう。 一緒にいる時間が少ないのと、事細かく観察していませんから気づきません。
愛子さんはクマさんから言われ、これからはゴミ捨ては自分でやろうと思っているようですが、果たしてそれだけでよかったのでしょうか。
皆さんには近所の人の立場、家族の立場での対応を考えていただきます。


次回予告
次は同じ場面でこういう対応もよいのではないかという例を再現してもらいます。
第1の場面「認知症は何気ない生活にまぎれてくる!!〜上手な対処法〜」をご期待下さい。

※このシナリオを利用したい場合は、日和田・西田地域包括支援センター  植田までご連絡をお願いします。
お問合せ先 TEL:024-958-6878