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2009.11.4 南東北病院グループニュース ロコモティブシンドロームとは!?

骨折fracture of a bone現代病といえるメタボリックシンドローム、通称「メタボ」と対になって注目を集め始めているロコモティブシンドローム(通称:ロコモ)という言葉が広まってきています。ロコモティブシンドロームは医学上メタボと対になる病気で、人間の身体の首から下の骨、関節、筋肉、神経など、内臓を除いた部分をさす骨や関節に問題がおき、重症になると寝たきりになる危険性があります。また、高齢者だけではなく、運動不足や食生活で骨や関節がもろくなり、靴下やズボンなどを履くときに踏ん張ることができなくなってバランスをとれない症状がロコモ予備軍として若年者にも広まっています。

ロコモティブシンドローム(locomotivesyndrome)とは
簡単に直訳すると「歩けなくなるかもしれない(?)症候群」とのことです。
日本整形外科学会が、2007年(平成19年)に、運動器の機能の衰えから日常生活の自立度が低下して介護や寝たきりになる確立が高い状態を「ロコモティブシンドローム」 と呼ぶことを提唱しました。ロコモティブシンドロームは、「ロコモ」と略されることもあり、日本語では「運動器機能低下症候群」と訳されます。ロコモティブシンドロームの対象となる主な疾患としては、骨粗鬆症変形性関節症関節リウマチ脊椎圧迫骨折大腿骨頸部骨折腰部脊柱管狭窄症などがあります。
これらの疾患を放置すると、運動器不安定症になる危険性が高く、主に運動器(筋肉、腱、靭帯、骨、関節、神経、脈管系など)の障害のために要介護となる危険性の高い状態になるとされています。
骨折fracture of a bone 2運動器機能低下を防止し、元気で長生きするためには骨や関節を鍛えておく必要があります。
運動をしない状態が続くのは、筋力を衰えさせバランス能力などの低下を招き、運動能力が低下して要介護度の悪化や寝たきりの原因ともなります。
最近は若年層の体力低下が懸念されていて、10代・20代で骨粗鬆症(こつそしょうしょう)になる女性もいます。骨粗鬆症になると、骨自体がもろいのでちょっと転んだだけでも大怪我になってしまう可能性があり、最悪の場合そのまま体力も低下してしまうことも考えられます。「ロコモティブシンドローム」は、高齢者の問題だけではなく、若年の頃からの対応が必要とされる病気でもあります。

総合南東北福祉センター第17回市民公開講座「骨についてのお話」のお知らせ

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター
作成:事務 伊澤孝夫

次回「ロコモティブシンドロームの原因」について