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2011.6.22 ワンポイントメディカル 室内の熱中症予防〜節電対策で要注意!!〜

ワンポイントメディカル
節電対策で要注意!!

室内の熱中症予防

東日本大震災・福島第一原発事故に伴い日本の電力不足が問題となっています。
 節電のためにできるだけ電気を使わない、エアコンの消費電力を抑えるために暑さを我慢・・・なんてことも・・・しかし、我慢も注意しないと室内で熱中症になってしまいます。そこで、熱中症予防のアドバイス。健康への注意もしながら元気に夏を過ごしましょう!!
熱中症は、炎天下でスポーツをしたり作業をしているときに起こる病気という印象がありますが、節電が叫ばれるこの夏は、特に多くなる可能性が高いので注意が必要です。

室内にいても熱中症になることがあります
 暑い室内にいると、つい冷たい飲み物がほしくなってきます。過剰に摂取すると胃腸が冷えたりして、消化の働きが落ちて食欲不振や下痢などを起こしかねません!!逆に、水分のとり方が足りないということにも注意しなければなりません。
暑い室内などで大量に汗をかくと体液や塩分が少なくなり、脱水状態となります。脱水状態になると栄養素や酸素の運搬、老廃物の排出、体温調節などさまざまな機能の働きが低下し、めまいや立ちくらみ、頭痛などいろいろな症状が現れます。高温の環境の下で起こるこれらの症状を総称して「熱中症」といいます。

夏かぜなどの感染症や皮膚のトラブルに注意
 暑い夏は皮膚のトラブルにも注意が必要です。汗を多くかいてそのままにしておくと、毛穴にアカやホコリ、皮脂などがつまって吹き出物や肌荒れの原因になります。特に子どもは、毛穴も小さいのでアカなどがたまってあせもができやすくなるので注意しましょう。
また、水虫菌が増殖しやすくなるのも高温多湿のこの時期です。いつも以上に、皮膚を清潔にすることを心がけましょう。

口の渇きに関係なく、定期的に水分の補給
 脱水症や熱中症を防ぐには、水分の補給を心がけることがなにより大切です。静かに過ごしているときは麦茶や普通の水を、大量に汗をかいているときはスポーツドリンクなどを喉の渇きの有無にかかわらず、定期的に飲むようにすることが大切です。普段でも睡眠中にコップ1杯程度(約180cc)の汗をかくといわれます。節電で室温が高いともっと増えるので、就寝前と起床時にも十分な水分をとるようにしましょう。なお、暑い中でキンキンに冷えたビールは美味しいので、ビールで水分補給したからと思っても安心してはいけません。アルコールやカフェインを含む飲み物には利尿作用があるので、実際には水分補給にはなっていません。

汗を吸収する寝具などで快眠の工夫
 暑い夏だからこそ、寝具などにも配慮しましょう。麻や綿のシーツ、タオルケットなどは吸湿性や通気性に優れた素材のものを選ぶとよいでしょう。
電力不足でクーラーの半分の消費電力ですむと大人気の扇風機。しかし、風に長時間、直接あたっていると、逆に汗が通常以上に蒸発し、体がだるくなったりして体が冷えたりします。寝るときにはタイマーをセットし、風が体に直接あたらないように首振り設定にするなど、扇風機の使い方にも注意をしましょう。

昼寝のススメ
 夜、なかなか寝つかれず睡眠不足となったときは、昼寝で寝不足を解消しましょう。ただし、昼寝は15〜20分程度が効果的。寝すぎると目が覚めてもだるさが残ったりしてしまうので注意をしましょう。

ワンポイントメディカル 効率アップ!理想的な昼寝の仕方
http://www.kaigo-hiwada.com/blog/001173.html

生活の中に「涼」の知恵を上手に取り入れよう
 夏を涼しく過ごすために、今話題のグリーンカーテンを取り入れてはいかがですか?
ゴーヤやキューリなどの植物を植えてグリーンカーテンをつくったり、すだれを利用したりして日陰をつくるのも良い方法です。特にグリーンカーテンは、食材として利用できますので、一石二鳥です!!

脱水症・熱中症のチェックと対処法について女医 Woman doctor
1)足や腕、腹部などの筋肉が強度の痛みを伴ってけいれんする
2)めまいや立ちくらみがする
3)脈が速く、弱くなる
4)拭いても拭いても汗が出てくる
5)顔面蒼白である
1)〜5)に当てはまるものが1つでもある場合:軽度の脱水症・熱中症
軽度の脱水症・熱中症の対処法
涼しいところへ寝かせ、衣服をゆるめるか、あるいは脱がせてください。水分を与え、風を送るなどして体を冷やしてください。

6)頭がガンガンする
7)からだがぐったりして、だるい
8)吐き気や嘔吐がある
9)喉が異常に渇く
6)〜9)に当てはまるものが1つでもある場合:中度の脱水症・熱中症
中度の脱水症・熱中症の対処法
涼しいところへ寝かせ、衣服をゆるめるか、あるいは脱がせる。そして、水分を与え、風を送るなどして体を冷やし、あわせて、わきの下や太ももの付け根を氷などで冷やして、専門家による診察を受けましょう。症状が改善しない場合は、ただちに救急車を呼ぶことが必要です。

10)ふらふらする
11)意識がもうろうとする
12)意識を失って倒れる
13)体に触ると熱い
10)〜13)に当てはまるものが1つでもある場合:重度の脱水症・熱中症
重度の脱水症・熱中症の対処法
重度の脱水症・熱中症は危険な状態。ただちに救急車を呼びましょう。また、救急車が到着するまでは、涼しいところに寝かせて、水分を与え体を冷やすようにしてください。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター