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2011年12月号 南東北福祉事業団 橋本顧問のひとりごと

2011年12月号

橋本顧問のひとりごと

 12月の初旬、冷たい雨も上がった19時35分、郡山駅の東北新幹線乗降口にめんこい孫2人が私達の姿を見付け、名前を呼びながら駆けて来る。あとからママの「危ないからかけないで!!」と叫ぶ声が聞こえないかのように駆けて来る。お揃いの防寒衣をきて背中には二人とも揃いのリュックを背負っている。今年はまだ雪が降らないのでさほど気にはしないが、暖かい地方から来るにはこれ位の用意が必要なのだろう。
おじいちゃんと孫 A grandpa and a grandchild 一年ぶりの孫との再会である。本来なら新緑の頃を予定していたが、ここ郡山市も東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故で延び延びになっていた。あれから9か月を迎えるもいまだに原発事故の収束は分からない。この事を孫達は親に聞かされているだろうが、今夜の再会は心配どころか元気付けられることになる。
 上の孫は来年小学校入学、昨年会った時より大人になったようで妹の世話をする仕種にホロリとさせられる。だが、家に着いた途端から一変する。早速リュックを開け私に百薬の長を、家内には菓子を他に自分達の飲み物や食べ物を部屋中に広げる様には、私達に嵐の到来を予感させる・・・。
 食事時は孫達からの注文のあった料理を出すと、「美味しい!お代わり!!」と元気よくお皿を差し出し、目を細くして給仕する家内の姿に孫の可愛さがみられる。私は娘と久しぶりで百薬の長をいただき、その姿に安堵する。久しぶりの再会で、夜の更けるのも忘れて過すも、孫も一緒に起きているのにはビックリする(普段通りらしい)。翌朝はさすがに疲れたのか目覚めは遅い。私は所用で外出するが、孫達は曾おばあちゃんに会いに行く。夕方帰宅してから話を聞かせてもらうと小遣いをいっぱい貰ってきたとのことで上機嫌である。だがこの節、外での遊びができないので、部屋でのトランプやかるた取りをする。妹が負けて泣き出し加勢をすると姉が泣き出す始末・・・姉妹とはいえ勝負の世界は厳しいようだ(^^;)だが終わってしまえば仲の良い姉妹に戻る。家の中を一緒に走り回り、ママに怒られるも気にする気配なし。ますます増長する姿に私もつい一喝する。一瞬静かになるも、隣の部屋でまた始まる。子供は元気が無い時は具合が悪い時であるので我慢する。3日目は娘がクラスメートとの会合に出かけ、孫達の世話を仰せつかり、私が腕を振るい得意の焼きそばを作る。これが受け、今度は私が目を細める番となる。
 あっという間の4日間だったが、私達に刺激を与えてもらい、元気な姿に接してまだまだ長生きをし、孫達の晴れ姿を思い浮かべながら、再会を楽しみ車窓の人となる。
 今夜からの百薬の長は、孫から貰った品をじっくり味わうことになりそうだ・・・

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター
顧問 橋本 静昌