2012年1月14日
ワンポイントリハビリ
1.拘縮とは?
「拘縮(こうしゅく)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?拘縮とは関節を動かさないために関節の動く範囲が狭くなった状態のことです。
拘縮を起こす原因としては関節を動かさない状態が長時間続いたことによるものが中心となります。ベッド上で寝たきりの場合、脳卒中などにより手足が麻痺した場合、骨折などでギプス固定を受けた場合などに起こりやすいです。それ以外の原因として、変形性関節症、慢性関節リウマチ、感染など関節に何らかの炎症が生じて痛みにより関節を動かさなくなるために起こる場合もあります。拘縮があると食事・着替え・排泄などの日常生活動作に支障をきたすことになります。
2.予防・治療の方法
関節が動かなくなっても、その状態が比較的短時間であれば、ゆっくりと力を加えて関節の動く範囲を大きくしていくことで改善することができます。各関節を3〜5回、1日に2回程度動かします。
(1)温めてから動かす
入浴後など関節が温まっている状態でストレッチすることで関節周囲の組織が伸びやすい状態になります。また、温めることで痛みが感じにくくなる、本人がリラックスできるなどの効果もあります。
(2)リラックスした状態で行う
いきなりストレッチを行うことは危険なので、緊張している筋をリラックスさせることが必要です。また、本人が安楽な姿勢をとりマッサージを併用しながら行うなど、本人の不安や苦痛を取り除くような配慮をします。
(3)ゆっくり動かす
反動をつけるような強いストレッチは痛みを伴い関節や筋を傷めてしまいます。本人の表情を確認しながらゆっくり丁寧に動かしましょう。
長時間動きの悪くなっている関節の動きを良くすることは強い痛みを伴い、しかも大きな改善を望むことはできません。拘縮が起こった期間と比べて治療には何倍もの時間が必要となりますので、できるかぎり早い時期から予防していきましょう。