2012年1月 2日
ワンポイント介護術
認知症の人の世話や介護は決して簡単なものではありません。そこで、基本となるポイントを覚えて、気軽に対応や無理のない介護をできるようにしましょう。
自分の家族が「認知症」と診断された時、認知症の人を介護するために基本的なことは「認知症」は病気ということを理解し、認知症の人を理解することが大切です。
認知症の人が、何を考え、何をしたいのかというようなことを介護する側が考え、認知症の人の自尊心を傷つけずにその場で「したい」と思うことを満たしてあげることで認知所の人は安心できます。
認知症の人には、認知症の人なりの世界があります。介護者の世界だけで認知症の人の世界を解釈せず、認知症の人の世界を受け止め大切にしてあげてください。認知症の人が今持っている力を見出し、それを手助けしながら、無理をせずにやってもらうという視点が大切です。このようなことを実践するために、求められる介護者の心構えや介護の仕方をご紹介します。
1.認知症の種類や似た症状に注意しましょう
認知症の原因や状態によっては、日常生活に支障のない程度まで回復することもあります。また、認知症と思われる症状がみられたら早めに精神科の医師に相談することで、本人の心の安定と家族の介護負担を軽減することにもなります。
2.生活史から個人を理解しましょう
認知症の進行には個人差があります。認知症の程度は、医師の診察などによりだいたいのことはわかりますが、認知症の人の行動の意味や心の中を知ることはできません。その人の子どもの頃育った環境、携わってきた仕事の内容や役職などが現在の認知症の症状や行動に影響していることが多くみられるため、認知症の人を理解して介護するには、生活の歴史を知ることも大切です。
3.不安や孤独な気持ちを受けとめてましょう
認知症が進むと今まで出来ていたことが出来なくなります。すると、出来なくなったことで自身が混乱したり不安を感じたりしてしまいます。そのため急に怒ったり、泣き出したりすることがありますが、認知症の人の言葉や行動を受け止めて見守ってあげることで落ち着いたりします。
4.「できること」の評価をしましょう
認知症の人は新しいことを覚えるのが苦手です。そのため、最近のことほど忘れてしまいます。また、今まで出来ていた着替えができなくなったり、家族のこともわからなくなってしまう場合もあります。しかし、そのような人が料理や縫い物をみごとにこなしたりと、驚くほど高い能力を発揮することがあります。できなくなったことを嘆くのではなく、その人の興味のもてそうなこと、得意なことを評価し、意欲を引き出してあげることが大切です。