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全国糖尿病週間 2012年11月12日(月)〜18日(日)

全国糖尿病週間
〜糖尿病について〜

 国連は、拡大する糖尿病の脅威を踏まえ、毎年11月14日を「世界糖尿病デー」と定め、この日を含む1週間が全国糖尿病週間となっています。
 2012年は11月12日(月)〜18日(日)の1週間が全国糖尿病週間となっていますので、この機会に糖尿病を理解し予防しましょう。

糖尿病とは?

With diabetes 糖尿病とは? 食べ物や飲み物を消化すると、体を動かすエネルギー源となるブドウ糖が作られます。このブドウ糖は血液に乗って細胞に運ばれて、筋肉や臓器で使われます。そして、血液中にそのブドウ糖がどのくらいあるかを示すのが「血糖値」です。
 糖尿病になると、血液中のブドウ糖をからだの細胞に運んだりするインスリンの働きが悪くなり、ブドウ糖が上手く運ばれず血液中に溜まり溢れてしまいます。血液中のブドウ糖が使われずに増えて筋肉や内臓にエネルギーが運ばれないから、全身のエネルギーが足りなくなっている状態です。
 糖尿病は、糖代謝異常によって起こる病気とされ、血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が病的に高まり、様々な特徴的合併症になる危険性があります。また、血糖値が高くなると、おしっこにもブドウ糖が出て、おしっこが甘くなるため、「糖尿病」と名づけられました。

糖尿病の種類

 糖尿病には、1型糖尿病、2型糖尿病、遺伝子異常など種類があります。主な糖尿病の種類は以下の通りとなります。

1型糖尿病
膵臓のβ細胞というインスリンを作る細胞が破壊され、からだの中のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こる。子供のうちに始まることが多く、以前は小児糖尿病とか、インスリン依存型糖尿病と呼ばれていた。

2型糖尿病
インスリンの出る量が少なくなって起こるものと、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなる(インスリンの働きが悪い)ために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こるものがある。食事や運動などの生活習慣が関係している場合が多い。わが国の糖尿病の95%以上はこのタイプ。

遺伝子の異常やほかの病気が原因となるもの
遺伝子の異常や肝臓や膵臓の病気、感染症、免疫の異常などのほかの病気が原因となって、糖尿病が引き起こされるもの。薬剤が原因となる場合もある。

妊娠糖尿病
妊娠中に発見された糖尿病。新生児に合併症が出ることもある。

糖尿病の三大合併症

 糖尿病を放っておくと、様々な合併症を引き起こします。その中でも、「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」は三大合併症といわれ、高血圧や糖質異常症症のある人や腎臓病の人が糖尿病になると症状が悪化するので一層の注意が必要となります。
Complication of diabetes 糖尿病の合併症
糖尿病神経障害
 合併症の中で最も早く出てくるのがこれです。中心となる足や手の末梢神経障害の症状の出かたはさまざまで、手足のしびれ、けがややけどの痛みに気づかないなどです。そのほか筋肉の萎縮、筋力の低下や胃腸の不調、立ちくらみ、発汗異常、インポテンツなど、さまざまな自律神経障害の症状も現れます。
糖尿病網膜症
 目の底にある網膜という部分の血管が悪くなり、視力が弱まります。中には失明する場合もあります。また、白内障になる人も多いといわれています。
糖尿病腎症
 おしっこを作る腎臓の、糸球体という部分の毛細血管が悪くなり、だんだんにおしっこが作れなくなります。すると人工透析といって、機械で血液の不要な成分をろ過して、機械でおしっこを作らなければなりません。週に2〜3回、病院などで透析を受けるようになるので、日常生活に大きな影響を及ぼします。現在、人工透析になる原因の1位がこの糖尿病腎症です。
その他の合併症
 脳梗塞、脳卒中、心筋梗塞、下肢閉塞性動脈硬化症、皮膚の病気、感染など

※厚生労働省「糖尿病ってどんな病気?」を参照しています。

次回:糖尿病の予防と糖尿病予防チェックについて

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター