過去の記事

ワンポイントメディカル 冬の感染症 ノロウイルス

ワンポイントメディカル

冬の感染症
ノロウイルスについて

Norovirus
インフルエンザの季節がやってきました。今年はすでに県北地区で流行が始まっており、12月に蔓延する恐れがあるとも予測されています。10月18日に総合南東北病院で開かれた医学健康講座で同病院感染管理担当の高木光恵看護師長が講演した「冬季感染症〜インフルエンザとノロウイルス」の内容を要約して予防法などをおさらいします。

◆強い感染力の注意を「ノロウイルス感染症」
 秋から冬にかけて流行するウイルス性胃腸炎のノロウイルス感染症も大きな問題。吐いたものを良く拭いておかないとそれが乾燥してウイルスが空気中に飛び散り、あたかも食中毒みたいな感じで集団発生することがあるからです。昨年4月、東日本大震災で郡山市のビッグパレットに避難していた人1886人のうち60人がノロウイルスに感染したことがありました。
Abdominal pain norovirus   
原因となるノロウイルスの特徴
①感染力が強い。便や吐物1gに100万個ある。10〜100個で人に感染する
②感染経路が多彩
③熱や乾燥に強く、アルコールに抵抗性を示す。人から排泄された後も環境になじみ感染力を持ち続ける―などです。

 症状は嘔吐、下痢、人によっては発熱、腹痛を伴う。潜伏期間は1〜2日。高齢者や乳幼児は吐物を気管に詰まらせたり(窒息・肺炎)、下痢による脱水がひどいこともある。3日位で回復するが、ウイルスの排泄期間は少なくて1週間。治療薬はなく、水分補給で脱水症状を防ぐしかない。安易に下痢止めを飲まないこと。飲んで病気の回復を遅らせることもあります。感染しても全員が発病するわけでなく軽いかぜ症状で済む人もいるが、調理師や施設・病院勤務者は「体調がおかしい」程度でも注意したいものです。

■「感染拡大を防ぐには」
①食事前に石鹸でよく手洗いする。
Handwashing norovirus

②入浴前に体をよく洗う。症状がある時はシャワーのみにする。
③オムツはビニール袋に入れ密閉
Sealed plastic bag norovirus

④汚物は流水でしっかり流し、85度以上10分加熱かハイター消毒する。
Haiter

⑤排泄物は乾燥する前に手袋・マスク・エプロン着用で処理。吐物や便が付着した床はハイターで10分以上消毒。換気忘れず。
Dress norovirus

⑥蛇口やドアノブも消毒。
⑦食用カキは85度以上1分加熱―などを守って下さい。

前回記事
冬の感染症 インフルエンザについて
 http://www.kaigo-hiwada.com/onepoint/op-medi/002620.html


※ワンポイントメディカル「冬の感染症 インフルエンザとノロウィルスについて」は、総合南東北病院「@南東北情報BOX」と情報を共有しています。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター