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ワンポイントリハビリ 「ヒートショック 〜室内温度差の対策〜」

 ヒートショックとは、急激な温度変化により体が受ける影響です。暖かいリビングから廊下、トイレ、脱衣室、浴室など、温度変化が激しい所へ移動すると、体の温度変化に対して、血圧を急激に変化させたり、脈拍を速くしたりして対応するため、脳卒中や心筋梗塞などにつながる恐れがあります。
冬の寒い時期に、暖房のきいた部屋から一歩出るとゾクゾクッとした経験がありませんか。これもヒートショックの一種です。
ヒートショックで亡くなった人は推定で約14,000人であり、交通事故死亡者より多いとされています。また高齢者が家の中で亡くなる原因の4分の1を占めています。
ヒートショックの影響を受けやすい人は、65歳以上の高齢者、高血圧症、糖尿病、動脈硬化症がある人です。肥満傾向のある人、睡眠時無呼吸症候群のような呼吸に問題がある人、不整脈がある人も注意が必要です。
また、日本の入浴中の急死者は諸外国に比べ高いとされています。これは、特に日本の木造構造の住宅は、夏の暑さ、湿気に対応しているため、甚だ冬の寒さには向いていないからです。また、タイル張りの浴室(トイレも)はタイルからの冷気で温度が低くなっています。このような住宅事情もヒートショックの原因となっています。
対策として、温度差が大きいことが原因ですので、できる限り住まい全体の温度差がなくなるような工夫をしましょう。脱衣室、トイレに簡易暖房器具の設置をするとよいでしょう。最近では、すぐ温まる小型の暖房器具も多く販売されています。この際、脱衣室は温風式を避けましょう。温風による気化熱で体温が奪われてしまいます。浴室は、浴室暖房の設置や、入浴前に浴槽のふたを開けておくだけでも違います。また、入浴の順番を考えるのも必要です。高齢者や高血圧症等のリスクを持っている人はできるだけ一番風呂は避けましょう。

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参考:リハビリ.net
社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 作業療法士