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ワンポイントリハビリ 「笑いの効能」

<笑うと身体はどうなるか?>
 皆さん、どんな時に笑っていますか?笑いとは、人とのコミュニケーションの場において生まれる現象です。笑うことによって脳が刺激されて神経へ伝わり、そこで免疫機能ホルモンが分泌されます。白血球の一つであるリンパ球でがん細胞や細菌に感染した細胞を死滅させ、がん細胞の殺し屋として有名なナチュラルキラー細胞が活性化されます。また、モルヒネの数倍もの鎮痛作用と快感作用のあるベーターエンドルフィンのホルモンが大量に分泌されます。これらのことから、笑うことにより身体が活性化され、免疫力がアップするといえます。つまり、免疫コントロール、自己治癒力が向上するのです。
また、笑いは腹式呼吸による効果も期待できます。腹式呼吸は副交感神経の働きを助けて、自律神経を整えます。笑うと横隔膜を鍛えることができるので、肺の強化にもつながります。


<笑いすぎたらどうなるの?>
 笑い過ぎてほっぺたやお腹が痛い、という経験はありますよね?笑う時には胸やおなか、腰、背中などさまざまな部分の筋肉を使っています。これは筋肉トレーニングにもなります。この運動量は、早歩きほどではないですが、運動不足の現代人や、お年寄りにはたいへん効果がありますまた、笑い過ぎて涙が出たことがある方も多いのではないでしょうか?
涙は副交感神経の作用のみで出ると言われています。笑いには、自律神経を活性化し、さらに副交感神経の働きを優位な状態にする効果があるのです。
大笑いしたあと、ゆったりとリラックスした気分になるのは、この副交感神経のおかげなのです。


*自律神経*
交感神経と副交感神経の二種類があり、意志とは無関係に生体の植物的機能を自動的に調節する神経。
《交感神経》…怒り、恐怖を感じた時作用する。
《副交感神経》…安らぎ、安心感を感じた時作用する。


<作り笑いでも効果があるの?>
or2015.7.4 1.jpg 同じ笑いでも、無理して笑う作り笑いはどうなのか気になりますよね?実は、作り笑顔でも同じように身体が活性化され、ナチュラルキラー細胞の働きが活発になるそうです。ですから、楽しくなくても、無理矢理笑って笑顔を作ることが大切ですね。
毎日はつらつとした笑顔でイキイキと過ごすことによって、いつも若々しく健康で、病気にも無縁で長生き出来るのです。年を重ねるごとに笑顔に磨きをかけ、自分自身が光り輝く存在になりたいです。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 作業療法士