過去の記事

ワンポイントメディカル 「高齢者に多い皮膚症状」

老人性乾皮症
保湿機能の低下や皮脂の分泌低下により、足のすねや腰回りなどを中心に皮膚表面がザラザラとして、浅いヒビ割れが無数に生じ、ひどくなると白い粉をふいたような状態になります。
かゆみを伴い、かき傷をつくってしまう原因にもなるため、乾燥を防ぐ対応が必要です。
《どのように対応したらいいの?》
wm2015.9.18 1.jpg ・居室の湿度を60%に保つ。
 ・保湿成分のある入浴剤の使用。
 ・入浴時は脱脂力の弱い弱酸性石鹸を使用。
 ・十分な水分補給。
 ・洗体時は体を強くこすらない。
 ・かゆみの強い場合は皮膚科受診。
 ・入浴後の保湿。

浮腫(むくみ)
下腿(膝から足首)・足背(足の甲)にできる浮腫の原因はさまざまなため、医療機関で検査することが必要です。
高齢者の場合、重力負荷による末梢血行障害が腿や足背に現れやすいため、原因疾患がない場合でも浮腫は起こりやすいです。
《どのように対応したらいいの?》
wm2015.9.18 2.jpg ・安静時は下肢を挙上。
 ・弾性包帯や弾性ストッキングの着用。
  (医師の指示のもと使用。炎症がある場合は禁忌)
 ・浮腫の起こった皮膚は薄く弱いので傷つけない・ぶつけない・引っかけないように注意を払う。
  テープ類の使用にも注意が必要。
 ・浮腫があるときは感覚も鈍く、重く感じるため転倒にも注意。
 ・尿量や飲水量の観察。

光老化によるしわやシミ
紫外線は肌を老化させると言われています。紫外線を長期間、繰り返し浴びることによって、皮膚の細胞、遺伝子や構成タンパク質への傷害が蓄積され、皮膚の老化が徐々に進行し高齢期で顕著になります。
不用意に紫外線にさらされると、シミやイボが増える・肌全体がくすむ・色調の変化や肌荒れが目立つなど悪影響が現れます。
《どのように対応したらいいの?》
wm2015.9.18 3.jpg ・外出時は帽子の着用を心掛ける。
 ・日焼け止めを塗る。
 ・保湿などスキンケアを行う。
  (保湿は入浴後の、角質層の水分量が多いときが効果的と考えられている)


〜イボやアザのようなものができた場合は早めに検診を〜
皮膚にイボやアザ、腫瘍のような物が新しく出現し、大きくなるようなことがあれば悪性疾患が疑われるため、できるだけ早く皮膚科専門医の診察や検査を受けるようにしましょう。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部