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ワンポイントメディカル 「片頭痛 〜意外に多い頭痛人口〜」

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「頭痛」は誰もが経験したことがあるポピュラーな症状ですが、特に原因がなく、年に10回以上頭痛を経験する“頭痛持ち”の頭痛は、慢性頭痛という病気であると考えられています。日本人の4人に1人は慢性頭痛に悩んでいるというデータもあります。

片頭痛はこんな病気!
●頻度・・・
月に1〜2回、多い時で週に1回程度、繰り返し起こります。起こり方は発作的で、頭痛がない時は普通の状態です。頭痛は4〜72時間持続します。
●頭痛の痛み方・・・
頭の片側、もしくは両側が「ズキンズキン」あるいは「ガンガン」と脈打つように激しく痛みます。頭痛がひどくなると拍動感がなくなり、持続的な痛みとなります。
●頭痛の程度・・・
「日常生活が妨げられる」ほどの強さです。仕事が手につかず、ひどいと寝込んでしまいます。「階段の昇降など日常的な動作により頭痛が増悪する」というのも片頭痛の重要な診断根拠です。入浴、運動、飲酒なども片頭痛を悪化させます。
●前ぶれ・・・
片頭痛が始まる前に、視野にチカチカした光が現れるなどの前兆を伴う方がいます。その他に、あくび、空腹感、首や肩のこりなどが起こる方もいます。
●頭痛以外の症状・・・
片頭痛はしばしば吐き気あるいは嘔吐を伴います。また片頭痛の最中は光や音に過敏になることも多く、光がまぶしくて仕方がなくなり、まわりの音がガンガンと頭に響きます。発作中は暗い静かな環境が望ましいです。
●遺伝・・・
片頭痛を起こしやすい体質は遺伝します。父親より母親からの影響が強いのが特徴で、母親が片頭痛の場合、子どもの半数に片頭痛が現れます。

片頭痛の原因と薬の作用
002.jpg●三又神経血管説・・・脳神経である三又神経が関与
●血管説・・・血液中のセロトニンという脳内物質の量が変化し、血管が異常に拡張する為に頭痛が起こる

《片頭痛に使われるお薬》
トリプタン製剤・・・片頭痛の原因である頭の血管の拡張と炎症を鎮めます。
解熱鎮静剤・・・頭痛に限らず、痛み全般に対しての沈痛作用があります。

生活の工夫でつらさを軽減
●冷やすと効果的!
冷やすことにより拡がった血管が収縮し、痛みを鎮めることができます。薄手のジェルシートなどの冷却グッズを常備しておくと安心です。逆にシャワーで温めると血管がさらに広がり悪化します。片頭痛は温めてはいけません。
●頭痛の起こりやすい状況を避ける!
人混みに出かけたとき、ストレスがたまっているとき、逆に仕事のストレスから解放されたときなど、片頭痛の起こりやすさと生活の状況が関係づけられることがあります。因果関係がはっきりしている場合は、その状況を避けるなどして注意しましょう。
●頭痛に響く音や光への対策!
光が刺激になる人は、外出時に青色ではなく赤茶系のサングラスをかけると予防効果があると言われています。音への対応としては、耳栓などを使用して雑音をさえぎると楽になります。

診療を受ける時のポイント
●頭痛がおこるようになったのはいつごろか
●頭痛の頻度
●1回の頭痛が続く時間
●頭のどの辺りが痛むか
●どんな痛みか(例:ズキンズキン、締め付けられるような痛み 等)
●頭痛の程度(例:寝込むぐらい、普通に仕事や家事ができない 等)
●頭痛以外の症状(例:熱がある、吐き気、めまい 等)
●思い当たるきっかけ(例:生理前後、週末、寝過ぎたとき、ストレス 等)
 など

よくある頭痛の悩み Q&A

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痛みのないときに受診しても大丈夫ですか?
意外に多いのが、痛みのないときには受診をためらってしまうという声。しかし片頭痛発作の最中には、受診したくてもかえって身動きがとれないものです。むしろ、痛みのないときに受診して、あなたの頭痛についてしっかり医師に伝えてください。

何科を受診すればいいですか?
頭痛の専門家は神経内科、脳神経外科ですが、まずはかかりつけの医師に診ていただきましょう。難しい頭痛、脳の病気が疑われる場合は、かかりつけの医師から専門医に紹介していただくと良いでしょう。かかりつけの医師がいない場合、頭痛を親身に診てくださる医師を探す場合は、インターネット上で検索することもできます。(http://zutsu.jp参考)。


社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部