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ワンポイント介護術 「正しい爪の切り方」

 高齢になると、爪が厚く硬くなったり変形したりと、爪が切りにくい状態が多くなります。そのまま爪を切らずに放置すると、爪が伸びて菌が繁殖しやすく不衛生な状態となります。また、温度・湿度の低下や加齢に伴う皮膚の乾燥から、痒みが伴い引っかき傷が絶えないという状況も見られます。そんな爪で傷を付けてしまうと、感染症の恐れもあるため、しっかりとケアをしなければなりません。また、爪が割れていたりすると、衣類や寝具などに引っ掛かってしまい、怪我をする可能性もあります。高齢者にとっては、爪一つでも病気や怪我に繋がります。

そこで、今回は正しい爪の切り方を紹介します。

<準備するもの>
・爪切り…通常の形のもの、ニッパー型のもの、足の爪専用のものなど様々な種類があります。
・蒸しタオル…爪切りは入浴後に行うことが理想ですが、入浴後には難しい、頻繁には入浴できないという場合、蒸しタオルなどで温めると爪が柔らかくなり、切りやすくなります。

<爪切りの手順>
1.爪を切ることを伝える。
2.爪を蒸しタオルなどで温める。
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3.利き手ではない方の手で、手・足の指先を押し下げるように(爪と皮膚の境目をわかりやすくする)持ちながら切る。
※爪切りで肉を挟んでいないか確認し、少しずつ切る。
※爪の両角はまっすぐに切る。(巻き爪予防のため)
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4.爪やすりで爪全体を整える。
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5.爪を蒸しタオルで拭いて、整っているか確認する。
足の爪を切る場合、手の指よりも硬く割れやすいため、少しずつ切っていきます。

※爪と周囲に異常がなく、かつ糖尿病等の疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に限り、爪きり・爪やすりが認められています。それ以外は医療行為になります。

<次に爪切りの種類の紹介をします>
1、爪切り
wk2016.2.26 4.jpg左側は刃にカーブがある「曲線刃」です。手と足の爪を切るのに一番使われている一般的なタイプです。右側は刃が斜めになっている「直線刃」で、足用の爪切りです。多少巻き込んだ爪でも切りやすいようになっています。


2、爪切りニッパー
wk2016.2.26 5.jpg足の爪が硬いと普通の爪切りでは上手く手入れができません。また、足の爪は巻き爪の状態が多く、巻き爪のケアも難しいため分厚い爪を切るのは、ニッパーが最適です。



3、爪やすり
wk2016.2.26 6.jpg最後に、爪全体の形を整えるのにやすりを使います。あまり強くやすりをかけると痛みを伴うので、易しくやすりをかけましょう。




<最後に>
今回紹介した爪の切り方を参考に、是非ご家庭でもやって見て下さい。
また、自分の用途に合った爪切りを選び、正しい爪のケアを行っていきましょう。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
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通所介護 南東北日和田デイサービスセンター