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ワンポイントメディカル 「中高年の便秘」

 便秘は女性に多いと思われがちですが、2013年の厚生労働省の調査によると、男性でも50代からの便秘が増加しているということです。

どうして便秘になるの?
wm2017.3.21 1.jpg便秘には明確な定義はありませんが、一般的には3日以上、便通がないと便秘と言われています。便を送り出す大腸のぜん動運動が弱くなる機能的な原因によることが多く、中高年は大腸の筋力が弱まり、ぜん動運動が低下、便が腸内に長くとどまると水分が過剰に失われて硬くなって、送り出されにくくなります。
弛緩(しかん)性便秘と呼ばれるこのタイプが中高年には多くなります。他にも食事量が少なく腸が活発に動かない、水分の摂取不足により便が硬くなる、腹筋の力が落ちて便を押し出す力が弱まる、認知症など便秘を合併しやすい病気などが誘因となることも少なくありません。

治療法は?
wm2017.3.21 2.jpg便秘の治療は、下剤の他に生活習慣を見直すことが重要になります。食事は3食、決まった時間にしっかり食べ、野菜、海藻、穀物、イモなど繊維質が多いもの、納豆やヨーグルトなどの発酵食品などは、腸内環境を整え、便秘の改善を促します。また、ウォーキングなどの適度な運動は筋力を維持し、腸の動きを活発にします。排便を我慢しないことも大切です。
毎日便通がなくても、定期的に良好な排便があれば、それがそのサイクルなので問題ありません。
便秘がひどくなってきたり、便に血が混じっていたら、大腸がんなどの心配もあるので、病院を受診してください。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部