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ワンポイントメディカル 「老人性うつ病」

〜認知症と間違えないで!意外に多い「老人性うつ」の見つけ方〜

 うつ病は、子どもから高齢者まで幅広い年代に見られる病気ですが、実は老年期の発症は他の年代よりも確率が高いと言われています。病気じゃないのに体の不調にこだわるのも老人性うつの症状です。

老人性うつでは、検査で病気がないと判明しているのに、原因不明の痛みや不調を訴え続けたり、不眠などが起こります。原因不明の頭痛や胃痛、腰痛といった症状の場合もあります。

以下の状態が2つ以上ある場合は、老人性うつの前兆かもしれません。
wm2017.4.21 1.jpg①食欲がなくなった
②好きなテレビを観なくなった
③出かけることが少なくなった
④笑顔が少なくなった
⑤落ち着きがなくなった
⑥便秘がちになった
認知症との一番の違いは、ひどい物忘れが見られないことです。認知症と疑う前に老人性うつである可能性も視野にいれてください。

欲求がなくなるのは注意信号です。1つでも当てはまる場合は、早めに専門医を受診するようにしましょう。

①不眠を訴えるようになった

②不安や焦燥感を口にする

③特に悪いところはないのに身体のどこかが悪いと悩む

老人性うつを発症する原因として、死別、独居、引っ越しなどの環境変化が引き金となる場合があります。高齢者の環境変化は最小限とすることが良いでしょう。

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治療については、抗うつ剤などの薬物療法が基本になります。体の不調を訴えているときは「つらいね」「大変だね」とその主張を認めてあげることが大切です。間違っても「そんなのは気のせいだ」といった否定や反論をしないこと。怒ったりせず、受け入れてあげましょう。認知症は現代の医療では治すことが難しいですが、老人性うつは治療すれば改善できる病気です。希望をもって介護を続けていきましょう。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部