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ワンポイントメディカル 「脱水や熱中症の症状」

 高齢者は脱水や熱中症になりやすいという特徴があります。体液は細胞内液が3分の2、細胞外液が3分の1の割合になっており、高齢者では細胞内液の減少が顕著となります。これは、加齢に伴い基礎代謝が低下し、代謝によって生成される水分が減少するためです。
wm2017.8.12 1.jpgさらに、口渇中枢の機能低下により水分補給も減少します。高血圧や糖尿病、心臓あるいは腎臓の持病があると、腎機能が低下して水分と電解質の再吸収が滞り、水分と電解質が失われてさらに脱水を起こしやすくなります。これらに加え気温の変化に対するセンサーも鈍くなっているため、夏場は熱中症が重症化しやすくなります。

生理機能や症状の特徴
高齢者は生理機能的に脱水になりやすく、いったん脱水になると意識障害や、基礎疾患の悪化をまねき、回復に困難を伴うことがあります。
脱水による血液の濃縮では、脳血管障害、虚血性心疾患といった高齢者の急死の主な原因となる疾患を誘発する可能性があるので、特に注意が必要です。
脱水や熱中症における高齢者の特徴は、本人があまり自覚症状がない、あるいは自覚があいまい、寝たきりや認知症の高齢者は症状を自分で訴えられないこともあります。客観的に皮膚・粘膜の症状などから把握することはむずかしく、脱水に気づくのが遅れ、意識障害や発熱などの症状が出てから緊急で搬送される事例も少なくありません。

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日々、こまめに水分を摂取しながら今年も健康に、厳しい夏を乗り切りましょう。

水分補給 暑さ対策


社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部