

2017年12月18日
痛風に苦しむ人は約100万人、その原因となる高尿酸血症がある人は1,000万人ともいわれています。
主に足の付け根が腫れ、激しく痛むのが痛風(痛風発作)の症状です。この痛みを起こしているのは、血液中の尿酸という物質です。尿酸はプリン体が肝臓で分解されることで生み出され、腎臓の働きにより尿として排泄されます。しかし、作られる尿酸の量が多かったり排泄がうまくいかなかったりすると、血液中の尿酸が増えてしまいます。すると、血液中に溶けきれなかった尿酸の結晶ができ、関節などに溜まっていきます。それが何かの拍子に剥がれると、白血球が異物とみなして、攻撃を始めます。その結果、炎症が起こり、関節の腫れや痛みが引き起こされるのです。
痛風の多くは、足の親指の付け根部分の関節に起こります。そして痛風を繰り返すことで結節ができ、その部分の骨が変形してしまうこともあります。また、足の指以外に、手指やひじの関節などに起こることもあります。これらの部分は、あまり血流が豊富でないため、体の他の部分に比べて体温が低くなっています。そのため、尿酸が血液に溶けにくく結晶ができやすのです。
痛風を起こす人の95%以上が男性です。特に30?50歳代に多いことが分かっています。チェックリストにあるような尿酸値を上げやすい生活習慣が長く続いた結果、痛風を起こすようになると考えられています。
《痛風 危険度チェックリスト》
?男性である
?30歳以上である
?肥満がある
?外食やコンビニ食が多い
?食事の時間が不規則
?アルコール飲料をよく飲む
?ジュースや清涼飲料水をよく飲む
?甘い物が好き
?ストレスが多い
?家族に痛風を起こした人がいる
※上記のチェックリストで当てはまる項目が多いほど、痛風を起こす可能性が高くなる。
肥満がある人に多いのは、腎臓から尿酸を排泄する機能が低下するためです。肥満になりやすい食習慣自体も、痛風を起こしやすくなる原因になります。
アルコール飲料や清涼飲料水、甘い物の取り過ぎは、体内で作られる尿酸を増やすことにつながります。また、ストレスがあると過食やアルコール飲料の過剰摂取につながることがあります。
家族に痛風を起こした人がいると、発症する可能性が高まることも分かっています。遺伝的な要因のほか、食生活が似ることも関係していると考えられます。
痛風が起きた時は、応急処置として患部を少し高くして冷やします。もんだりするとかえって痛むようになるので要注意です。
痛風は特に治療をしなくても、1?2週間すれば治まります。しかし、体内の尿酸が多すぎる状態を改善しなければ、何度でも再発する可能性があります。必ず医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。血液中の尿酸の量を示す尿酸値が7.0mg/dlを超えると溶けきれず結晶ができやすくなります。そこで、尿酸値が7.0mg/dlを超える場合を『高尿酸血症』とし、治療の対象としています。高尿酸血症は、痛風を引き起こすだけでなく、他にも悪影響をもたらします。尿酸が腎臓内にたまることで腎臓の働きが低下し、腎臓病になる可能性があります。尿酸の結晶が尿路にできると、激しい痛みを伴う尿路結石を引き起こします。また、血液中の尿酸が多いと血管壁を障害して、動脈硬化を引き起こします。痛風の有無にかかわらず、高尿酸血症を改善することが大切です。
痛風を起こしていないけれど尿酸値が高い状態を、無症候性高尿酸血症といいます。高尿酸血症のある人は約1,000万人。痛風のあるひとは100万人と推計されているので、およそ9割の人が無症候性高尿酸血症と考えられます。痛風がないために尿酸値が高い状態を放置してしまい、気付いたときには腎臓病が進行してしまっていることも少なくありません。痛風は起きていないけれど尿酸値が7.0mg/dl程度で合併症を起こしていない場合は、食生活の見直し、飲酒制限、適度な運動などの生活改善に取り組みます。痛風を防ぐには、尿酸値を6.0mg/dl以下に下げ、その状態を長期間維持することを目標にします。実現できれば、関節内にたまっていた尿酸の結晶は溶け、痛風は起こらなくなると考えられています。薬を使用している人も生活改善に取り組むことが大切です。
社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部