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食事中の姿勢と介助方法

〇安全な食事の姿勢
高齢者が食事をする際に気を付けなければならないのは、食べ物が気管に入らないようにすることです。今回はそのための基本姿勢を紹介します。

     
①イスに座る場合
イスに座る場合の基本姿勢は「足を床に付けたやや前かがみの姿勢」です。前かがみにすることで、食べものが自然と食道へ送られます。そのため足を床に付け、座る姿勢をやや前かがみにすることがポイントです。足を床につけることで前のめりになった際、体重を支えられるようになります。

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 【やや前かがみの姿勢】      【前傾が保てない場合】
※前傾姿勢が保てない場合は、背中や頭の後ろなど必要な部分にクッション等を入れて支えるようにすると良いでしょう。

     
②車椅子に座る場合
車椅子にはフットレストが付いていますが、足は床に下ろすとよいでしょう。フットレストでは足が踏ん張れません。足を下ろすだけのひと手間で、食事量が全く変わってきます。車椅子とテーブルの高さが合わない場合は、車イス用のテーブルを使用しても良いでしょう。

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 【車椅子に座る場合】     【クッションを使用する場合】
※椅子の場合と同様に、前傾姿勢が保てない場合は、背中や頭の後ろなど必要な部分にクッション等を入れて支えると良いでしょう。

     
③リクライニング車椅子の場合
リクライニング車椅子を使用している人の場合、リクライニングの角度は椅子の時と同じように90度近くにすることが理想ですが、本人の状態や希望に合わせて60度から80度くらいに保ちましょう。本人とコミュニケーションを取りながら、無理のかからない角度を見つけましょう。膝は90度に曲げ、足はステップにしっかりと乗せます。体が安定しないようであれば、背中や頭の後ろにクッション等を入れてあげましょう。

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    【90度近くに保った場合】           【60度~80度に保った場合】

     
④ベッドで食事をする場合
リクライニングの角度は90度が理想ですが、本人の状態に合わせて60度~90度くらいに保ちます。腰はベッドのリクライニング部分にしっかりと沿わせ、隙間が出来ない様にしましょう。膝は軽く曲げられるようにして、その下にクッションなどを挟んであげると姿勢が楽になります。首を安定させるために、首下から後頭部の辺りにクッションやまくらを挟んであげても良いでしょう。

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〇食事介助方法
《自分で食事が食べられる場合》
食事に多少時間がかかっても、可能な限り見守ることで、本人の今出来ることが維持されます。
こぼすようであれば、エプロンを使ってこぼれても洋服が汚れないように配慮しましょう。


《食事を介助する場合》
食事を介助する際は、介助者は必ず横に座りましょう。介助者が立っていると、食事中に介助者の顔を見ようとして上を向きます。上を向くと誤嚥の可能性が高まります。介助者が座る位置は、前だと威圧感がありますので横がおすすめです。
食事介助をする際は、「これはお魚ですよ」など、一口ずつ食べ物を教えてあげるとコミュニケーションになります。一口量の目安はスプーン1/2杯分です。食事を口に運ぶ際は、スプーンは口の中にまっすぐ入れてまっすぐに引き出すようにしましょう。食べ物を噛み終えた時に喉を見ると、飲み込んだと同時にノドボトケが上に動くのが分かります。口が開いたら次の食事を口に入れましょう。その時必ず、口の中に何も入っていないことを確認して下さい。半分しか飲み込めていないなど、口の中にまだ残っていることがありますので、その場合は一口量を減らしましょう。
食事の時間は、家族とのコミュニケーションに最適な時間です。食事の時間を有意義に過ごしてはいかがでしょうか?

     

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