お知らせ

　高温、多湿、風が弱い、輻射熱（地面や壁などから伝わる熱）があるなどの環境では、体から外気への熱放散が減少し、汗の蒸発も不十分となり、体内の水分や塩分（ナトリウムなど）のバランスが崩れ、体温や体液の調節機能が破綻します。それが原因で起きる障害を『熱中症』といいます。特に、高齢者や子供などは熱中症に陥りやすく、注意が必要です。死に至る危険性がありますが、予防の方法を知っていれば防ぐことができます。

　　　　　
〇熱中症の症状
「暑熱環境にさらされた」という条件が明らかで、立ちくらみ、こむらがえり、倦怠感といった症状がみられれば熱中症の疑いがあります。ひどくなると、意識がもうろうとしたり、体温が極端に高いなどの症状もみられます。また、気温が低くても、湿度が高い場合は同様の症状がみられる場合があります。

　　　　　
〇手当
できるだけ早く、風通しの良い日陰や冷房が効いている室内などに避難させます。原則として水平にしますが、本人が楽な体位にします。厚い衣服は脱がせて、体からの熱の放散を助けます。意識があり、吐き気や嘔吐などがなければ、水分補給をさせます。経口補水液、スポーツ飲料、薄い食塩水などを飲ませます。
胸や腹に水をかけたり、濡れたタオルで覆ったりした後、うちわや扇風機などで扇ぎます。市販のアイスパックなどがあれば、それを首、脇の下、大腿の付け根や股関節部に当てて、皮膚の下を流れている血液を冷やします。頬、手のひら、足の裏を冷やすことも有効です。体の冷却は、できるだけ早く行います。重症者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げられるかにかかっています。
水分が補給できない、症状に改善がみられない、様子がおかしい、全身のけいれんがあるなど、手当の判断に迷う場合は、直ちに119番通報をします。119番通報後も、救急隊の到着前から冷却を開始することが求められます。

　　　　　
〇予防
・屋外では日陰を選び、屋内では扇風機や空調（エアコンなど）を使用します。
・濡れたタオルなどでこまめに汗を拭き、吸汗・速乾素材や通気性のある衣類を選び、帽子を着用するなどで暑さを回避します。
・喉が渇いた時はもちろん、喉が渇く前、暑い所に出る前からこまめに水分補給をします。ただし、アルコールは身体の水分を排泄するため、注意が必要です。
・日頃から、運動で汗をかく習慣を身につけ、暑さに備えた体づくりを心がけます。

社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター　看護部