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2009.11.14 南東北病院グループニュース ロコモティブシンドローム(locomotivesyndrome)の原因

歩けなくなるかもしれない症候群シリーズ2
ロコモティブシンドローム(locomotivesyndrome)の原因

 運動器の障害の原因には、大きく分けて、運動器自体の疾患と、加齢による運動器機能不全があります。
運動器自体の疾患
 加齢に伴う、様々な運動器疾患。たとえば変形性関節症、骨粗鬆症に伴う円背(えんぱい)、易骨折性、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症など。あるいは関節リウマチなどでは、痛み、関節可動域制限、筋力低下、麻痺、骨折、痙性などにより、バランス能力、体力、移動能力が低下します。
加齢による運動器機能不全
 加齢により、身体機能は衰えていきます。年齢を重ねるとともに低下する身体祈祷は、筋力低下、持久力低下、反応時間延長、運動速度の低下、巧緻性低下、深部感覚低下、バランス能力低下などです。運動不足になると筋力やバランス能力の低下によって、運動機能の低下による転倒をしやすくなります。 

ロコモティブシンドロームと「要介護」の原因
ロコモティブシンドローム(locomotivesyndrome)は、寝たきりや要介護の主要な原因になるともいわれています。 ロコモティブシンドロームは、メタボリックシンドロームや認知症と並び、健康寿命の短縮、寝たきりや要介護状態の3大要因のひとつとなります。 

要介護になる理由
1.脳卒中
2.老衰
3.認知症
4.骨折・転倒
5.関節疾患など

要支援になる理由
1.老衰
2.関節疾患
3.脳卒中
4.骨折・転倒
5.心臓病など

高齢者の方は、加齢や運動不足により、身体機能の低下、運動器疾患による痛み、易骨折性など、多様な要因がかさなり、バランス能力、体力、移動能力の低下をきたして、ついには立って歩くことや、衣服の着脱、トイレなど、最低限の日常生活動作(ADL)さえも、難しくなります。これが進行することで、健康寿命が短くなったり、廃用症候群、寝たきりなどの要介護状態になっていきますので注意が必要です。

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次回:ロコモティブシンドロームの診断と治療について

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総合南東北福祉センター
事務 伊澤孝夫