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ワンポイントメディカル 「冬季に流行する感染症」

 冬季に流行する感染症。

今回は「ノロウイルス」と「インフルエンザ」について、基礎知識と予防法を解説します。

新型ノロウイルス?

2015年は、検出感度の低い新型ノロウイルスが流行しています。

   例年  ノロウイルス 遺伝子型「G2 4」

            ↓

   今季  ノロウイルス 遺伝子型「G2 17」

ノロウイルスの迅速検査で陽性と判断されない事例が増加し、診断や感染対策の遅れによる感染拡大が懸念されています。

厚生労働省から自治体への注意喚起があり、各自治体でも警戒を強化しています。

ノロウイルスの基礎知識

 〇原因となるウイルス:ノロウイルス

 〇特徴:冬季に流行

      感染力が強く、少ないウイルスの数でも感染する

      集団発生しやすい

 〇症状:突然の嘔吐・下痢・腹痛・微熱など…

      症状は平均1〜2日で軽快へ向かう

      ※高齢者の場合、吐物を誤嚥して誤嚥性肺炎になったり、吐物による窒息や下痢・嘔吐による脱水で死亡するケースもあります。

 〇潜伏期間:24時間〜48時間

 〇ウイルス排出期間:症状消失後も1週間は排出

               症状消失後も、感染源になりえます。

 〇検査・診断:ノロウイルス迅速検査

          ※ノロウイルスに感染していても陰性となる場合があり、感染していないことを100%確かめることはできません。

 〇治療:治療法なし、対症療法のみ

 〇感染経路:①経口感染

          ウイルスに汚染された食物を摂取

         ②接触感染

          感染者の吐物や排泄物

         ③飛沫感染

          感染者の吐物や排泄物が飛び散り、飛沫として吸い込む

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インフルエンザの基礎知識

 〇原因となるウイルス:インフルエンザウイルス

 〇特徴:冬季に流行

      小児が感染しやすく、高齢者は重症化し死亡率も高い

 〇症状:発熱・咳・鼻汁・咽頭痛・関節痛・全身倦怠感など…⇒個人差あり

 〇潜伏期間:1〜5日(3日以内が多い)

 〇感染期間:症状出現24時間前から5日間

         ※症状が出る前からウイルスを排出しています。

                      感染力は発症後3日間が強いといわれています。


 〇検査・診断:インフルエンザ迅速抗原キット

          ※検査の結果は100%ではありません。

            発症早期で検体に含まれるウイルス量がまだ少ない時期は、陰性となるケースが見られます。翌日に再検査するなどの対応が必要です。

 〇感染経路:飛沫感染

【ウイルスの生存期間】

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予防法について

感染予防の基本は手指衛生(手洗い)です。

机、ドアノブ、エレベーターボタン、吊革などに付着した病原体が、手を介して口、目、鼻などの粘膜から体内に入り感染します。石鹸と流水による手洗いが、感染の機会を減らします。

また、可能な限り人込みは避ける、バランスの良い食事や十分な休息をとる、市中での流行状況を把握するなどして、感染症の予防に努めましょう。

インフルエンザは、予防接種を受けることで重症化を防ぐ効果もあります。

家族が感染したり感染症の症状がある場合には、早期に病院を受診し診断を受けましょう。

検査結果が陰性であっても、感染症が疑われる場合はなるべく他者との接触を控え、感染の拡大を防止してください。

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社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 広報委員会