

2019年2月20日
〇冬季に多発する温度差で起こるヒートショック
暦の上では立春を迎える2月。とはいえまだまだ真冬日を記録することもある、寒さ厳しい季節です。このような時期に気をつけたいのが「ヒートショック」です。
ヒートショックとは、気温の低い屋外から暖かい屋内への移動や、暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な環境温度の変化によって、血圧が上下に大きく変動することをきっかけとして起こる、健康被害の総称です。
〇ヒートショックが起こりやすいのは入浴時
ヒートショックは、特に冬季の入浴時に起こりやすいことが知られています。
暖房をしていない脱衣場や浴室では室温が極端に低くなりがちで、こうしたなかで衣服を脱ぐと、急速に体表面から体温が奪われて血管が収縮し、血圧が急激に上がります。温かい湯船に入れば、今度は血管が拡張して、血圧が急激に下がります。このような入浴に伴う温度差が血圧を大きく上下させるために、失神や心筋梗塞、脳梗塞が起こったり、その結果として湯船で溺れ、命を落としてしまうこともあるのです。
〇こんな人は特にご注意を!
厚生労働省によると、家庭の浴槽で溺れて亡くなる人の数は、2004年には2,870人であったのに対し、2015年には4,804人となり、およそ10年で約1.7倍に増加しています。そして、このうちの約9割を65歳以上の高齢者が占めています。
高齢になると血圧の変動が生じやすくなり、体温を維持する機能も低下するため、ヒートショックの影響を受けやすいと考えられることから、65歳以上の人は特に注意が必要です。また、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの動脈硬化リスクがある人、肥満や睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある人も、ヒートショックの影響を受けやすいため、ぜひ意識して対策を心がけましょう。
〇屋内全体で考えるヒートショック対策
国土交通省はヒートショックを防ぐための住宅環境として、次のような温度条件を紹介しています。住まいのなかで寒さや温度差が気になる場所があれば、この値を参考に改善をはかるのもよい対策です。
・部屋の温度:15℃以上、28℃以下に保たれている
・洗面所、浴室、トイレの温度:冬季で20℃以上
暖房器具の適所への配置や市販の断熱・防寒対策グッズの活用、家屋の断熱改修など、屋内の温度差を緩和するための方法は様々あります。ご自身の住まいに合った方法を上手に取り入れて、まだまだ寒さの厳しい2月を元気に乗り切りましょう。
〇入浴中のヒートショックを防ぐために
ヒートショックを防ぐためにできる工夫をまとめました。できることから取り入れて、ヒートショック対策を行っていきましょう。
1、入浴前に脱衣場と浴室を暖かくしておく
脱衣場に小型のヒーターを設置したり、浴室の壁に温水シャワーをかけるなどして、温度と湿度を上げましょう。湯船のお湯張りをシャワーで高めの位置から行うのも、浴室全体を暖めるのに役立ちます。
2、湯船につかる前に、シャワーやかけ湯で体を温める
寒いからと急に湯船につかるのは危険です。シャワーやかけ湯で徐々に体を温めましょう。また、入浴後は、浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう。
3、湯船の温度はぬるめ(41℃以下)とし、長湯を避ける
湯船につかっている時間は10分以内を目安に、入浴全体の時間も長すぎないようにしましょう。
4、入浴前後には、コップ一杯の水分補給を
脱水を避けるために、水分補給も忘れないようにしましょう。
5、入浴前のアルコール・食後すぐの入浴は控える
アルコールや食事は一時的に血圧を下げるため、直後の入浴は控えたほうがよいでしょう。
6、血圧が高いときには、入浴を控える
収縮期血圧が180mmHg以上または拡張期血圧が110mmHg以上の場合は入浴を控えたほうがよいでしょう。
7、家庭内で「見守り体制」をつくる
高齢者や持病のある方は特に、入浴前に同居者に一声かけましょう。また同居者は、いつもより入浴時間が長いときには入浴者に声をかけましょう。
社会福祉法人 南東北福祉事業団
総合南東北福祉センター 看護部